ばおわー旅行記

自転車旅の備忘録

故郷への旅 二日目(小田原~焼津)

朝7時半起床。シャワー浴びてすぐ支度して出発。小田原城を見学しようとしたけどめんどくさくなったのでパス。今日は箱根の峠を越えるけど、熱海ルートを選べばそんなに山は登らないし大丈夫やろと思ってとりあえず熱海を目指す。

海沿いの135号は歩道がなくてトラックビュンビュン走るしチョー怖かったのでその隣にある740号で行くことに。ところがこの道はかなりアップダウンが激しくていかにもな山だったので以外とキツイ。ここはみかんが名産品らしく、みかんの木やみかんの看板がやたら目につく。

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山を登っていると何かの碑が立っていた。相翁松の碑というらしい。

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wikipediaを引用すると、
『1884年(明治17年)、当時東京帝国大学の学生であった坪野平太郎、阪谷芳郎添田壽一の三人は、春期休暇を利用して、共に東京から熱海への旅行へと出かけた。その途上、足柄下郡江ノ浦村の街道沿いに老松があり、三人はそこで休憩することにした。老松は枝ぶりが良く、またそこからの相模湾の眺めも爽快なものであった。三人はその老松の下で将来を語り合った。そして、「我々は親の恩恵により学問を修めている身であるが今、又、ここに爽快な景色を見、大いに英気を養うことができた。将来、立身したならば此の地に碑を建てよう」と誓い合った。』...

俺と一緒やん。泣ける。ふと高校の時の卒業アルバムに「青雲の志」を忘れまいということを書いたことが思い出された。俺もいつか立派な人間になりたいものだ。青雲。それは君が見た光。

初っ端からけっこうな疲労だったし腹も減ったし湯河原のマクド朝メシ。なんで旅先まで来てマクドやねんて感じやけどまぁ特に周りになんもなかったししょうがない。とにかく箱根峠にむけて腹を満たせればそれでいい。熱海までの下り坂を時速40kmくらいで飛ばしてきもてぃ。先を急いでたから熱海を素通りしていざ峠へ。まぁゆて余裕やろ~

しかしこの余裕も束の間、かなりの急勾配が延々とつづく。こいでもこいでも坂。マジかよ。峠ナメてたマジパネェ。完全にナメてたごめんなさいもう許して下さい。一番軽いギヤでも荷物を積んでるから立ち漕ぎしてもキツイ。みっともないけど途中から完全に押して歩くことにした。もともと「峠は自転車を降りずに登るゾぉ!」とは思ってなかったけど、なんか悔しい。途中何人かのチャリダーが気持ちよさそうに坂を下ってきてくそぉ楽しやがって、と思ったけど、この人らのしたり顔も峠登ってきたからこそのものやろなぁと思ってがんばる。高ければ高い山の方が登った時気持ちいいもんな。

体力はめちゃくちゃ消耗したけどなんとか峠を登りきった。やったー!まさに峠を越した!そして待っているのはご褒美の下り坂。今度はギヤを一番重くして漕ぎまくる。ンギモヂイイいいいー!!!!時速60kmくらいだしてクネクネ坂を下るこの気持ちよさよ。これでちょっとハンドル操作を誤ったら即ぐちゃぐちゃになって死ぬんやろなぁと思いながらも気持ちよくてブレーキがかけられない。男には止まれない、いや止まってはいけない瞬間というのがあるのだ。気持ちよすぎて坂道であ!ポロン♪てしそうになる(何が)

峠のあとは1号線にもどらず380号線で海沿いを走ることに。右手に富士山、左手に海!と思ってたけど曇ってて富士山あんま見えないし松並木とフェンスで海も見えないしつまらない。歩道もないしトラックやたら走るし松ぼっくりがうざいし萎える。田子の浦にうちいでてみたかったけどそんな元気もないしとにかく走り続ける。

富士から由比までは1号線をひたすら行く。この辺りは工場地帯で、変な化学臭がする。トラックばっかだし元気が出ない。腹も減ってきたし富士由比バイパスの何でもないチェーンの中華屋で飯を食うことにする。ラーメン餃子白ご飯の普通のメシだったしご飯も冷めてたけど、コレが涙が出るほどうまい。僕は嫌いな食べ物がない(といってもいいと思う)のでだいたい何でもおいしく食べられるので、逆に料理の美味さに関して鈍感なほうだと思うけど、この時食った何でもない中華料理は本当に美味かった。

店員は頭悪そうにサイドを刈り上げたDQN風の兄ちゃんで、多分新入り?ぽかったけどまぁこういう人生も楽しいんだろうなと思ってたら、となりに初老のおっさんが座ってきた。何度か注文するのだけど、なかなか注文が通らず「バッカじゃねぇの!」と言って帰ってしまった。まぁ誰にでも失敗はあるだろうし店員にも問題はあるだろうけど、注文すら通せないのは自分の頼み方に問題があるとは微塵も考えないのかね。自分に非が少しでもあると思えるなら、他人を批判できるだけの道徳的な優位性は自分にはないと思えるしもう大人なんだから癇癪を起こさずに冷静に対応すればええやんって思う昼下がりでした。めでたしめでたし。

事前に調べていた通り由比から興津までは自転車が通れない区間あるので、迂回ルートを行く。ところがこれがクソ分かりにくくて漁港の中を通ったり変な狭い道を通ったりで時間がかかった。途中立ち入り禁止になっているところがあってその先になんとも写真映えのしそうな場所があったので、自転車を押して歩いて立ち入ってみる。こういう時はいつも後ろめたさが優って立ち入れないけど、その時は未だ見ぬ世界に目を輝かせる少年のような心に軍配が上がった。

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過去を振り返ろうとして思いとどまった男の寂しそうな背中を感じられるいい写真だよねー。うん。でも目の前が海だからこれからどうするんだろうね。泳いで渡るしかないね。うん。

もう時間もあまりなかったし、今夜の宿は焼津にしようと思う。日が暮れる前にはつきたかったので静岡駅前をそそくさと通り越して焼津へ向かう。

焼津に行く途中、大崩海岸を通った。ここは道路が海に突き出していて絶景だった。

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でも歩道がないので長居は出来ずすぐあとにする。

焼津についたのは18時過ぎ、もうかなり暗くなってるし疲れたので、お目当の宿、ウィークリー翔へむかう。ここは一泊2500円で泊まれるし綺麗そうだしまぁ予約せんでも大丈夫やろと思ってたらところがどっこい、満室で泊まれないと言われてショボーンしょうがなく紹介してもらった3900円のビジホに泊まることに。まぁしょうがない。旅は想定外のことがあったほうが楽しい。ここのビジホは素晴らしい場末感で、雑居ビルの一室みたいな部屋だった。当然アメニティ類は皆無だし常連みたいな汚いおっさんしかいないけどなんか逆にアガる。雨風がしのげてちゃんと寝られて体力を回復できるところならどこでもいい。とりあえず腹が減ったので焼津駅前で店探し。商店街はシャッターを降ろしてるし全体的にすごく寂れた街だった。焼津は港町だから港の方へ行けば栄えてるのかな。とかくめぼしい店もないので今日はコンビニで弁当と酒を買ってホテルで食べることに。ちょうどWBCがやってたのでがんばえにっぽん~!まけうな~!って言いながら焼肉弁当を頬張る。うん、こういう飯も悪くない。

疲れていたしすることもないのでさっさと風呂に入って就寝。おやすみ!!

 

本日の走行距離

だいたい125km