読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ばおわー旅行記

自転車旅の備忘録

故郷への旅 四日目(豊川~亀山)

この日は朝7時に起きて朝食。バイキング!食べ放題!チャリダーにとってエネルギー補給は喫緊の課題だから食べ放題の朝食バイキングは嬉しい。味はどうでもいいとはいわないが、必要な時に必要なものが食べられるだけで十分なのだ。僕がちっちゃい頃食べ物を残そうとすると、ばあちゃんがよく「アフリカの子供はなぁ...」と恵まれない子供達のことを考えろと教えられてきたので、ちゃんと教えが身についている。アフリカの子供も食べ物残すやろ!という意見はめんどくさい自問自答になるので封印する。

で、豊川をでて名古屋方面へ向かう。1号線をひたすら進む。岡崎市ではでかでかと「徳川家康公生誕の地」とあってへぇ、と思いながらそのまま通過。

f:id:oh-my-gahhhhh:20170401201423j:plain

今日は朝から飛ばして昼過ぎには60kmくらい走って疲れてしまった。桶狭間の古戦場跡も行きたかったがそんな気力もなく、腹が減ったのでなんか愛知名物でも食べようと思ったけど何食べよ矢場とんが食いたいけどこのへんにはなさそうやしなぁ...味噌カツ食いてえよぉ~.....ん?....みそかつ........コメダ!というわけで近くのコメダ珈琲を探す。別にコメダもどこにでもあるけど無性にみそかつサンドが食べたくなったので探していると、何やら古い街並みが。このあたりは有松という地域で長屋が軒を連ね非常に風情がある。

f:id:oh-my-gahhhhh:20170401201507j:plain

こんなとこでデートとかしてみてぇなぁ。

コメダをようやく見つけてブレンドコーヒーとみそかつサンドを注文。目の前の席にはけっこうかわいい女子大生っぽい人がデカイ事で有名なみそかつサンドをひとりで食べている。全部食えんのか...残したら僕が食べてあげよう()と思っていると僕の方にもみそかつサンド登場。やっぱデカイ。そしてめちゃくちゃうまい。本郷近くにコメダできないかなぁ。ぺろっと平らげて満足して出ようとするとさっきの女子大生がさらにケーキまで注文してた。にしても1人で味噌カツサンドとケーキ食べにコメダくる女子大生ってどうなの...?と思いながら、いっぱい食べる君が好き♪と口ずさむ。

休憩の後のライドは本当に辛い。ケツが悲鳴をあげる。お尻が2つに割れてるのはその昔ヒトに翼が生えていた名残らしいけどそんなのはどうでもいい。今わたしの願い事が叶うならば翼がほちぃ。名古屋駅まで行くとかなりの大回りになるし、名古屋駅付近は18切符で何回も行ってるからパス。近道してより海沿いの23号線から行くことにした。しかしこれが間違いだった。23号線は結構な悪路ででこぼこだし、トラック多いし、風がまた強い向かい風だし、何より橋がやたら多くてその度に階段を押して歩かなきゃいけなくて全然進まない。これは想定外だった。この温厚な僕がキレそうになる。何やねん飛鳥村て。奈良なめてんのか。景色もあんま良くないし風が強いし風が強いし風が強いしホント嫌になる。今までは風に吹かれてチャリ乗るなんて素敵!と思ってたが今回の旅で風のこと嫌いになった。なんで今日に限って向かい風なんやろな。思えば人生いつも向かい風だったような気がしないでもないけどこれも神が与えたもうた試練だと思って漕ぎ続ける。肉体的な痛みはもちろんあるが、確かにこの風は健全な精神を蝕んでいく。沢田研二ふうに言うとカラダの傷なら治せるけれど心の痛手は癒せはしないのである。

だいたい自転車に乗ってる時は歌を歌ったり考え事をすることが多いけど、この時はただひたすら無心になって漕ぎ続けた。この向かい風の中、代わり映えしない景色を永遠と走るのは苦行でしかない。考え出すと常にネガティヴなことばかり考えてしまうので途中で思考を放棄して機械的にペダルを漕ぐ機械と化した。右膝左膝交互に漕ぐ♪...右膝左膝交互に漕ぐ♪...完全に無の境地である。自と他の境界が曖昧になってゆくのがわかる。あぁ、これが禅~ZEN~か...

ようやく木曽川揖斐川を超えて桑名市に到着。このあたりで夕方になってしまい宿にチェックインの時間が遅れそうだと連絡。しかし宿付近はかなり田舎で明かりも少ないことからできるだけ急ぐように言われた。また暗い中を走るのか...やだなぁ。

チャリを飛ばして日暮れまでには四日市に到着。へぇここが四日市かぁ、けっこう栄えてんじゃんっ☆ここからずっと南に行くと伊勢神宮に着く。せっかくだからお伊勢さんにお参りしたかったが日程の都合で行けない。去年は18切符で伊勢に寄って、朝6時にちゃんと外宮から内宮を参拝して赤福を食べたなぁ。また今度18切符で行こう。しかし昔の人は東海道を通って歩いてここまで来ていたのかと思うと凄いね。チャリでさえこんなキツイのに歩きなんて絶対無理だ。山登るにしても、チャリだと下り坂というご褒美があるから登りを頑張れるけど、歩きは登りと下りで違う筋肉を使うし、どっちも辛いから。見返りのない愛を知るにはまだまだ時間がかかりそうだ。

鈴鹿を通るあたりにはもう日が暮れそうになってしまった。寒い。膝が痛ぇ。ケツが痛ぇ。俺は何してるんだろうな、こんなつらい思いして。この旅一番の心折れかけモードに突入。僕は「柳の木に雪折れなし」を座右の銘として生きてきたけど、雪を受け流す枝のしなやかさが失われつつある瞬間というのがあるもので、それがこの日のこの時間だった。俺たちはただの魚で川の流れまでは変えられないんや(ジョーちゃん...)。

いきなり夕暮れの空に飛行機のオブジェ?があらわれた。

f:id:oh-my-gahhhhh:20170401201747j:plain

俺はこういうのにどうしようもなく弱いんだなぁ。もう君は飛べないのにずっと空を見てるんだもんなぁ。

亀山についた頃には完全に夜だった。ようやく宿につける...と思いきや意外と亀山から離れてる。こんちきしょう!クヌッ!クヌヤロ宿に向けて1号線を走っているとまたバイパスが出現し歩道が消滅。あともうちょいなのに!掴めそうで掴めない...是即ちぷいにゅ...宿主が言ってた通り確かにほとんど明かりがなくて道が全然わからない。バイパスを迂回するルートはだいたい農耕用の車が通る道でなかなかに難しい。しかし長年それなりにチャリ乗って来たからルートファインディング能力というか勘には自信があってほぼ迷わず宿に到着。20時を過ぎてしまって宿主に心配をかけてしまった。

ここの宿は関にあるゲストハウスで、築何百年という古民家を改装したものだった。周りも全部古民家でかなりの歴史を感じる。昔の人もこの辺りで泊まってたんだなぁと、今と昔をつなぐものがあるというのは何か嬉しいね。

居間に案内されると先客がいて、色んな海外を旅してた常連のおっさん、お手伝いとしてほぼこの宿に住み着いている「部長」(なんで部長と呼ばれていたかは忘れた)、東海道を回っていて日本語が上手なベトナム人の3人が出迎えてくれた。僕がチャリダーだとわかるとみんな労ってくれて暖かな場所だった。飯は付いていないので、近くのスーパーへ買い出しに行き、半額になったいなり寿司と菓子パンを買って帰る。タンパク質が足りないのでファミチキを2個買ってその場で食べる。宿に戻ると人が増えていて、素潜りでイルカと戯れるのが趣味(というか職業?)のスキンヘッドの兄ちゃんが戻ってきていた。BMWのレトロな車で来ているらしい。彼はなぜかやたらベトナムのことに詳しくて、隣のベトナム人よりも詳しいんじゃね?てくらいだった。他にも1組、カップルで個室を借りている旅人もいるらしかった。個室で何してるんでしょうねぇ。クヌッ!クヌヤロ!とか思ってしばらくすると男の方が顔を出してきた。人懐っこい感じでどうも憎めない。たぶん僕より若い。若いっていいなぁ...5分くらいすると彼女の方もお風呂から上がって顔を出してきた。

...kawaii

色白でおっとりしてそうな田舎娘みたいな感じで、風呂上がりだから髪が濡れてて色っぽい。さっきまで彼氏に抱いてた一抹の好意は完全に砕け散って嫉妬へと変わった。ふざけるな!!クヌッ!クヌヤロ!!俺によこせ!

とまぁ楽しく談笑できて雰囲気の良い宿だった。明日もあるので僕もシャワーを浴びようとしたが、シャワーだけは???な代物だった。ウルトラセブンに出てきそうな電球とかが光る宇宙人を彷彿とさせるカプセルの中でチョロチョロと水を垂れ流すみたいな感じで謎。カプセルのドアも壊れていて防水の役目を果たせていない。ほとんど外にあるようなものだから普通に寒い。しかしこれも風情だと思えるくらいには疲れていたから適当に汗を流して、そのまま12時くらいには床についた。相部屋の布団では既におっさんが寝ていたので静かにしなきゃ。

明日はやっと奈良だ。故郷が近づいていることを実感すると疲れも心地よくなる。俺はここまで来たんだ、と自分を奮い立たせているといつの間にか眠ってしまった。

 

本日の走行距離

だいたい130㎞