ばおわー旅行記

自転車旅の備忘録

F旅まで 神戸~香川

快活クラブのナイト8時間パックで一夜を過ごし、朝5時ころに出発。まだ暗く人もほとんどいない神戸の朝の街を颯爽と駆け抜ける。神戸はおしゃれで山も海もあって道が広いわりに人の数もちょうどよいからとても好きになった。将来はこんな町で穏やかに暮らしたい。。。

15分ほど走って高松までのフェリー港に到着。ジャンボフェリーだ!とにかくデカい。このフェリーは人だけでなく貨物もいっしょに運ぶ役割もあるのでアホほどデカいトラックがバンバン乗り込んでいく。自転車は普通の搭乗口ではなく車と一緒の入り口なので丁寧な誘導を受けながらトラックと一緒に乗り込む。僕の他にももう一人チャリダーがいて、一人じゃなかったのでちょっと安心。

そしていよいよフェリーが神戸の港を離れる。港町を出ていくときの「ああ、俺は遠いとこへ行くんだ...」感は異常である。もう会えないなんて言わないで...かわりに朝日が出迎えてくれたのでいつものように太陽さん~おはよう♪とあいさつする。
フェリーの中はやたら豪華でめちゃくちゃ広いしテンション上がる!甲板にでて朝の澄んだ空気を吸い込んでると、その空気が内から湧き出るエネルギーに変わっていくのがわかる。360度の海。360度の空。つかみどころのない広さにたじろぐこともなく、俺はどこへだって行けるんだと大きな気持ちになる。それはそうとこの謎のオブジェ何?

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朝飯を食ってなかったので船内に戻りうどんを食べたけどめっちゃうまい。沁みるううう。フェリーの中のちゃっちいうどんでもクオリティが高い。さすがうどん県だけある。船内にはなんとゲーセンもあったので暇つぶしにやってみる。UFOキャッチャーでかわいい猫ちゃんがいたのでお揃いでゲット。

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かわゆす。浮気したわけじゃないよアリア社長。僕はずっとアリア社長ひとすじだお。ぷい~。

明石海峡大橋の下を通るというアナウンスがあったのでまた外に出てみる。真下を通ったけど本当に壮観だった。こんなデカい建造物を作った人間の可能性に感動する。
でもフェリーで一番記憶に残っているのは景色ではなくジャンボフェリーのテーマソングである。中毒性が高くメロディが今も頭にこびりついている。ようつべにあがっているので是非聴いてみてください。

風が恋を運ぶ 海を遠く渡り♪
二人を結ぶ ジャンボフェリー♪
風の中感じる あなたの声感じる♪
届けてよ ジャンボフェリー♪
…………
(作詞・作曲・編曲:森香 歌:早見にな)

なんかアナウンスのたびにこれが流れてきてそのたびに胸が締め付けられるようなノスタルジーに襲われる。チキショー!なんたって懐かしい匂いなんだ!遠く離れた恋人同士がお互いを想う切なさ...

とまあ4時間ほどフェリーに揺られてやっと高松の港に到着。車用の出入り口が開く瞬間に立ち会えたけどこれがまたイイ。

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ウルトラセブンウルトラ警備隊が発進するときのあの山とかがパカッと割れてウルトラホークが飛び立つときの感じだ!(ワンットゥ!スリッフォワンットゥ!スリッフォ)うるとらあ~セブ~ン!

高松につくととりあえず腹ごしらえのために有名なうどん屋さんを探す。近そうなうどん屋さんがないか調べていると食べログでめちゃ評価の高いうどん屋さん「手打十段 うどんバカ一代」が割と近くにあってここに行くことにした。まだ昼前なのにめっちゃ混んでて人気の店なんやと思いワクワクして並ぶ。


少女はこちらをまっすぐ見つめている。弾力のある艶やかな白い肌は、其の内に儚さと僅かの強さを兼ね備えている。己の中の抑えきれない熱量が魂を溶かすように、僕の中の何かが、音もたてずにほろほろと崩れていく。壊したい。君(きみ)を壊したい。一度失えばもう二度と戻らない、そのぎりぎりの淵で平衡を保とうとする美学を、混沌の海に放り投げたい。そして僕は遂にその平衡を打ち破った。ああ!なんてことをしてしまったのだ!とめどなく流れる君(きみ)の血は不可逆の力に身をゆだねている。あまりにも自然に、悠然と。そして僕は『永遠』という無常を悟ったのだ。永遠とは、滅びゆく存在のたどり着く終着なのだと…
(訳:うどん登場!白い麺は柔らかいけどコシがあっていいね!熱くてバターがとろけてるう。卵の黄身割りてえ!割ったら黄身がとろけるう!ぐちゃぐちゃあ。おいしい。ごちそうさま。)

食べ終わったら暇だし時間もあるので栗林公園に行ってみた。めちゃくちゃデカい庭園みたいな感じで一時間半ほどぶらぶらしてるだけでも結構楽しめた。F旅までにはまだ時間があったし、そういえば昨日から風呂に入れてないので銭湯にいくことにした。調べてみるとちょっと行ったところに仏生山温泉という超おしゃれな銭湯があるらしいのでやったぜ!と思いチャリをとばす。が店の前まで行くと『本日休業』の文字が。なんでやねん。なんで第四火曜が休みでそれが今日やねん。ドンピシャにもほどがある。仕方ないので近くのきらら温泉とやらに行ってみる。きららって名前いいよね。Version いくつくらいのだろう?で温泉にゆっくりつかって疲れをいやした後のこの一杯。

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これだよ!これ!なんで温泉の後に飲むフルーツ牛乳はこんなうまいんやろな。フルーツ牛乳という飲み物を考えた人もすごいし、それを風呂上りに飲む習慣を生み出した人もすごい。

銭湯のあとはF旅の宿へ向けてチャリをこぐ。ゆて20kmほどあるのでそこそこ頑張らなあかん。でもこれまで毎日100kmほど走ってきたから20kmくらいなら余裕だと思えるようになった。強くなったよ俺。高松は道も広くて走りやすいけど膝の痛みもぶり返してきたのでなかなかスピードが出ない。はやく宿についてみんなに会いたいぜ。しかしよく東京から香川まで来たなあ、としみじみ感慨深くなる。(思えば遠くへ来たもんだ♪)この先どこまで行くのやら。377号線からは山道で、この旅最後の山である。まだ日は暮れてないし急ぐ必要はない。一番軽いギヤでゆっくりと登ろう。最後くらいは自転車から降りずに登ろうと決めた。チャリというのは足だけでなく、意外と上半身の筋肉も大事だったりする。登りでは上半身にも力を入れてバランスをとって、よろけないようにしないといけない。端から見てるとわからないけれど、転げ落ちないように踏ん張る、内なる筋肉と精神の緊張、それこそが美しいのである。途中で自販機があり、橋の下にはきれいな川があったので一休みしていると、みんなが乗っている車が次々と来て僕を追い抜いてゆく。宿はもうすぐだ。みんなの後を追って俺も行くよ。負けるもんか!

 

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その男はまた一人立ち残された。薄暗い森には水の音だけが響いていた。寂しさに似た感情を振り切ろうと、もう一度サドルにまたがり、しっかりとハンドルを握った。懐かしい痛みは、その感情が寂しさではないということを彼に教えてくれた。そして再びゆっくりと、目指すべき場所へと走り出した。

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~完~

本日の走行距離
だいたい50km