ばおわー旅行記

自転車旅の備忘録

色を取り戻したくて…夏 in 奥秩父【一日目】

 

どうも。お久しぶりです。いいですねえ、夏。研究室の夏休みはもうほとんどないといってもいいと思うけど、やっぱり夏っぽいことしたくてまた旅に出ました。夏っぽいかといわれるとそうでもない気はするけど。浴衣着て花火見て海行って渚のステージで月明りをみるだけが夏じゃないんですぅ。すぅ。一か月前あたりに湯河原でのセミナーを終えた後、一人で由比ヶ浜にいって、涙色した貝殻に熱いため息を漏らして、砂に書いた名前消して以来色をなくしてしまったので、それを取り戻す旅が必要だったんです。てか砂に書いた名前消すの何回目だよ…って感じですね。

どこいこう!って考えたけど、海はもう飽きたし、じゃ今度は山か!ってなっていろいろ調べると、秩父のほうにまだ行ってないことに気づいて、なんか面白そうなとこを探していた。僕はお寺とか神社とか好きなのでそういうとこ探してると、おすすめの神社に三峯神社というのがでてきた。なんかパワースポットらしい。普段はパワースポット(笑)て感じだけど、山の上(標高1100m)にあって自転車で行くにはちょうど良い(?)し、毎月1日限定のレアなお守りがあるらしく、それが有名らしいのでそこに行くことに決めた。秩父といえばアニメ「あの花」や「ここさけ」の聖地でもあるので、せっかくだからいろいろ観光しよう!てなわけで色を取り戻す旅が始まったわけである。

初日は秩父までの90kmの移動に使うことにした。いつもそうだけど割と適当にプランを決めるので、11:30くらいにのっそりと出発。荷物はできるだけ少なくしたいので、工具と充電器と着替え上下と下着だけ詰め込んでぶらぶら走る。二泊三日くらいならサイドバッグは付けずにサドルバッグだけで走るスタイルが身についてきた。254号線に沿って和光市まで走る。この道は川越まで行った時と同じだからあんま面白くはない。朝霞駐屯地を超えて所沢へ。このあたりで腹が減ってきたので適当にコンビニでパンとファミチキを買って食べる。ベンチに座って道行く人と車の往来を見ながらもそもそ食べていると、ようやく旅の実感がわいてきた。これだよ!この感じ!ぞっくぞくするぜえ!

狭山市入間市を抜けるとようやく山っぽくなってきた。299号線沿いには高麗川という川があり、とてもきれいだったのだけど、運悪く雨が降ってきた。天気予報で予想はしていたけど、やっぱ雨の中自転車で走るのはやだなあ...この先秩父までほぼずっと山だしどうせなら太陽の下自然を感じたかったけど、気を取り直して進み続ける。雨といっても霧雨煙る静かな♪もので、そんな不快なものではなかったのでむしろ暑すぎるよりいいんじゃね?と楽観的に考える。

 

山の道にはいろいろ面白いものがあった。

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町工場かなんかに描かれてたけど、完全にOUTである。藤子・F・不二雄先生もびっくりである。

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道中で見かけた小さな鳥居。パワースポットとかが巷では人気らしいけど、こんな何でもないような木の切り株にもちゃんと神は宿るのである。

 

雨の中走り続けて、正丸駅のあたりに到着。ここまでくると秩父はもうすぐだ!ゆっくり走っていると「自転車歩行者の正丸トンネル内通行 危険」という看板が。回り道しろと書いてある。しかし回り道すると正丸峠を超えることになり、無駄に体力を消耗したくなかったので、まぁゆてトンネルっつってもタイミングを見計らって車の来ない間飛ばせば大丈夫やろ~と思いそのまま進み続ける。へらへらしながらトンネルの前に到着すると、

「トンネル長さ 1918m」

 

え…うそ…マジかよ…

 

長すぎるよおおお!

 

ほんとヤダ。雨で滑りやすいし暗いし怖いしトンネルってホント嫌い。かといって正丸峠を登るのもやだし…でもよく見ると幅80cmくらいの歩道がついていたのでそこを慎重に行くことにした。歩道といってもちょっとバランス崩せば車道に落ちちゃうし、とにかく全神経を集中させて進む。後ろから車が通るとき反響して「ゴオオオオオオ!」てなるのが本当に怖い。勘弁してくれ。くるまきらい。ぷええ。

 

魂が抜ける前にようやくトンネルを抜けた。生きた心地がしなかった。川端康成がもしチャリダーなら「正丸の長いトンネルを抜けるとそこは天国だった…」て書くに違いない。あとから知ったことだけど正丸峠のあたりは心霊スポットとして有名らしい。最初から知ってたら絶対通らないよこんな道…

やっと雨も上がってきたしコンビニで休憩がてら今夜の宿を探す。ネットで探してるとゴルフ場の併設ホテルが安そうなので電話をかけてみると、基本料金が4000円だけどおひとりの場合は追加料金で3000円取られるらしい。なんじゃそら。ほんなら最初から7000円て書いとけや。もちろんこんな高い宿には泊まれないのでしょうがないけど漫喫に泊まることにした。秩父には毎度おなじみ快活CLUBがなく、漫喫としては自遊空間しかない。まあたまにはええかと思いながら秩父に向けて再出発!

ほどなくして秩父に到着。へえ、ここが秩父かぁ!暗くてどんな街かよくわからん!今日はアップダウンが比較的少なめだったから割と余裕でぬるっと着けた。腹が減っていたのでとりあえず飯にする。脂っこいものがどうしても食べたかったので、とんこつラーメンの店に決めた!

 

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「ラーメンいとう」のとんこつラーメン。麺は細めだったけどしっかりとんこつとんこつしてたので体に沁みる。店内ではちびまる子ちゃんのEDが流れてて、そういえば桑田佳祐が歌ってんだなあ、クワタソロwwwてなりながら食べる。おいしかった。ご馳走様。

食後はもちろん銭湯。秩父には昔ながらの銭湯が二軒(「たから湯」と「クラブ湯)残っているらしく、どっちかにはいきたかったので、迷いながらも「クラブ湯」に行くことにした。住宅街のど真ん中にあり、入ってみるとちゃんと番台がある!いいねえ。番台のおばちゃんはとても優しくて、雨に濡れながら来たのでありがたいことにタオルまで貸していただいた。ああ…人の温かみが何より沁みる。ロッカーもなく籠に服を入れるだけのレトロな脱衣所。奥の壁には富士の絵。鮮やかな刺青を入れたヤクザ…

 

え…?

 

なんと先客には胸と肩に立派な刺青を入れたヤクザが体を洗ってた。ぎえええ。人生でモノホンのヤクザを間近で見たのはこれで二回目である。一回目は仙川のドトールで携帯電話の使い方を教えてほしいといわれて親切に教えてあげたのだけど、その時のヤクザはちゃんと小指がなかったのを覚えている。ばれないように今回も体を洗いながらチラチラみてたのだけど、どうやらこの人の小指はあるようだ。良かった。あなたが噛んだ小指が痛い♪じっくり見ると背中と太ももに大きな傷がある。この人も壮絶な戦いをしてきたんだなあ、僕には想像もできないような世界は意外と身近にあるのだなあ。としみじみする。お互い素っ裸で向き合ってこそ感じるものもあるのだ。ヤクザなんて感心したものではないけれど、風呂から出ようとする彼の背中が大きく見えたのはどうしてだろう?

汗も流したし風呂上りにコーヒー牛乳を飲みながら番台のおばちゃんと世間話する。自転車できているというと、そういう人は割とよく来ているらしい。で、そういう人は漫喫に泊まるというのも知っていた。チャリダーの考えることはだいたい似通ってくるのである。雨もやみそうにないし、切りのいいところで漫喫に向けて出発。一日の終わりにおばちゃんの笑顔を見られてここにきて正解だったなあ。

今夜の宿は自遊空間。いつものように酒とつまみを買ってガキ使みながら明日のプランを考える。着替えは一着しかないので今日着たシャツは手洗いして適当に干す。今回はユニクロのドライEXポロシャツを導入したのだけど、とても優秀で着心地もいいしすぐ乾くしこれからも使おう。明日も早いのでさっさと寝ようとしたけど、うれしいことにこのブース斜めに寝なくてもいい!だいたい漫喫のブースは僕の身長ではぎりぎり縦が小さくて斜めに寝なきゃいけないけど、今日のブースは広くて縦がすっぽり収まる感じだった。快活CLUBがなくてしょうがなくって言ったけど自遊空間もええやん。うん。

明日は聖地と廃村を巡ろう、と大まかに決めて、寝ることにした。おやしゅみ~。

 

本日の走行距離

だいたい95km