ばおわー旅行記

自転車旅の備忘録

色を取り戻したくて…夏 in 奥秩父【二日目】

おはようt…!今日はいろいろ秩父を観光しよう!ということで朝9時に出発。昨日洗ったユニクロのポロシャツがまだ乾いてなかったけど、まぁ走ってるうちに乾くやろと思って濡れたまま出る。天気は快晴。天気予報ではずっと曇りの予報だったけど、こっちのほうが夏っぽくてよい。今日は暑くなるやろなぁ。水分補給しっかりしよ!

まずは「あの花」の聖地巡り。一端のアニオタを名乗るには聖地巡りはかかせない、いわばさんまの塩焼きについてくる大根おろしのようなものである。砂に書いた名前、どこ行ったん?めんま改めぷいちゃ探しの旅である。いつでも捜しているよ、どっかに君の姿を♪とりあえずまずは有名な旧秩父橋へ向かう。

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アニメと構図もまんまである。今まで数多のアニオタがここへ来て、あるはずのない世界に想いを馳せ、そして現実に戻され、散っていったのだろう。そんな名もなき人間の掬い取られない想いが、橋の下の川のうたかたとなって消えてゆくのである。何言ってんだ俺は。

ここにもいなかったから今度はけやき公園に行ってみる。ここは「”ゆきあつがあ○るに告白するシーン”をつるこが見てしまう場面」として有名らしい。住宅地の中にあって非常に見つけにくかったけど、けやき公園発見!

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ここも構図がまんまである。しかし中に入ってみると品のない落書きだらけで少々残念だった。

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全くセンスのかけらもない。これがあ○るって落書きだったら多少は評価したかもしれない。やっぱりここにもいない。

次は羊山公園へ行く。ここはぽっぽが秩父の街並みを見ながら黄昏ているシーンとして有名なので、僕も黄昏てみた。

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これは向かいにベンチがあったので、そのベンチの隙間に何とかスマホを挟み込んで、角度を色々調整して、あーでもないこーでもないといいながらなんとか撮った写真である。一人で朝からこんなことしてると本当に孤独を感じたので、その孤独が背中ににじみ出た良い写真だと思う。

他にもここさけの聖地の大慈寺や、御花畑駅周辺などをぶらついたけど、やっぱどこにもいない。ぷいちゃ、どこ行ったん?急行待ちの踏切あたりにいないかな。こんなとこにいるはずもないのに♪

聖地巡りはこの辺にして、今度は廃村を訪れることにした。この前奥多摩に行った時も、廃墟に行って夢の跡を見てきたけど、やっぱ僕はそういうのが好きみたいである。表層を着飾った観光地とかよりも、その裏側にあるものにどうしても心惹かれるのだ。きれいに咲く桜の花より、散ってしまった桜に何とも言えぬ風流を感じるのである。奥秩父には多くの廃集落が存在しているらしく、そのうちの一つ、岳集落という廃村に行くことにした。ここはとあるホラーゲームに登場する集落のモデルとなったところらしく、山の奥には十二社神社という神社があるらしい。三峯神社に行く前に、山の奥のこの神社に参拝しようと思い、少々おじけづきながらも出発!

十二社神社は秩父から9kmほど離れており、浦山ダムの近くにある。ダム周辺は本当の山で、こんなところに集落があったなんてちょっと考えられない。まぁ交通の便とか不便だから人がいなくなったのだろうけど。人っ子一人いない暗い山道を走っていると、今にも熊とか出てきそうで怖い。実際、熊出没注意!て看板があったから本当に出るんだろう。もし本当に出たら為すすべがない。こんなとこで死んだらしばらくは誰も気づかないだろうなぁ。

暗い山道では木漏れ日だけが癒しである。緑が深い。セミがうるさい。ひぐらしが鳴いている。ちょっとふりかえったら「嘘だっっ!!!」ビクッ(゚Д゚;)って斧振りかざされそうである。暑さで汗が吹き出しながら走り続けていると、急に視界がぱあっと開けた。どうやら山の頂上付近についたようだ。見渡せば山、川、空、雲、太陽。くーっ!これだよこれ!こんなビビッドな夏を俺は求めていたんだよ!ビビッドレッドオペレーション誰もいないし疲れたので、そのまま道路に寝そべって空を仰いでみた。飛行機雲が青を切り裂いている。なんかよくわからない形の鉄塔が無駄な存在感を放っている。こんな場所に一人で来ていると、若きウェルテルの悩みなどシャボン玉~♪である。しばらくそのまま太陽と向き合っていると、「ブオオオオン」と大きな虫が顔のそばを通っていった。よく見るとアホほどでかいオオスズメバチである。こんなとこで刺されて死んだら悲しすぎるのでダッシュでその場を離れて先を急ぐ。といってもそこから先は自転車が通れないような山道だったので、徒歩で神社に向かうことに。

山の道は険しく、暗い。視界にセミが10匹くらい飛んでおり、ビクビクしながら奥へ進む。こんなとこ夜に来たら本当にチビってしまう。虫を払いながら奥へずんずん進むと、途中でなんとも雰囲気のあるお地蔵さんがいた。

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ネットでもあったけど、有名なお地蔵さんらしい。その昔、ここにあるお地蔵さんの1つが盗難にあい、その祟りなのか、ここで山火事が起こったらしい。原因は放火で、犯人は逮捕されたらしいけど、今でもそのお地蔵さんは行方不明で、返してくださいという張り紙があった。よくも盗むなんて罰当たりなことができるもんだ。

ちょっと進むと、見えて来た。夢の跡が。

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今にも倒壊しそうな家屋。生活用品や何やらが、崩れかけた木材と混じって雑多に放置されている。

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忘れ去られた想い。

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形あるものはいつかなくなる。僕のカラダも、想いも、いつかこうして朽ちていくのか。それとも...

 

廃墟を通り過ぎると鳥居が見えて来た。十二社神社だ!山奥にひっそりと佇む姿はより神聖な感じがして良い。こんなとこ滅多に人来ないんやろなぁ...と思ってたら...なんと人がいた。神社の脇に何やら新しい社か何かを1人で組み立てている男がいた。大工さんかな...せっかくだから誰もいない方が雰囲気でて良かったのに...と思いながらも、いつものように世界平和を祈願して帰ろうとすると、「何しに来たんですか?」と呼び止められた。びっくりしてしばらく立ちすくんでると、「賽銭入れないってことは信仰じゃないんでしょ。」と割と強い語気で言ってくる。えええ。何でそうなるの。確かに普段お賽銭はあまり入れない主義で今回も入れなかった。だけどそれは神の世界にお金の概念なんかないはずだと思うからである。信仰と金が結びつくとロクなことにならないのは歴史が証明している。何度も言うように神社は個人の願いをする場ではなく、お金の額によってご利益が上がるなんて考えは荒唐無稽だ。反論したかったけど、グッとこらえて話を聞いてみる。男は「ここに来たのは何か他の理由があるんでしょ。」と言う。どうやらここがモデルとなったホラーゲーム関係で来た人と勘違いしたようである。そんなゲームやったことないし、ちゃんと事情を説明すると、その男もわかってくれたようで、申し訳ないと謝ってくれた。彼はおそらくここの神主さんだろう。話を聞いてみると、そのゲーム関係でここを訪れる人は結構いて、そういう人はお賽銭を入れないのだそうだ。また防犯上からも気をつけるようにと警察に言われてるらしい。そういうこともあって、最初僕を見て、威圧的な態度を取らざるを得なかったのだろう。実際さっきのお地蔵さんが盗まれた件もあるし。お賽銭のくだりについてはモヤモヤ感はあるけど、まぁ現実問題として神社の運営費とかも必要だろうから、彼の気持ちも分からなくはない。たしかにお賽銭の意味合いをもう一度考えてみると、日々こうして元気に過ごせることへの感謝という意味あいもあるから、その部分が自分には少し足りなかったかなという気持ちも生まれた。彼の言葉によって、客観的に自分の行動を振り返るきっかけをくれたということで、これも神の思し召しなのだろうと考える。だからこれからはできるだけお賽銭入れることにしよう。うん、そうしよう。

さて、歩いて来た道を戻りもう一度自転車にまたがる。お昼を食べてなかったし、この辺は食べるとこもないような山だから、もう一度秩父駅周辺まで戻ることにする。どうせなら秩父名物そばを食べたくて、食べログで有名そうなとこを探して行ってみる。ところが目をつけてたとこが昼2時くらいだというのにすごい行列で、この暑さの中並んで待つのは嫌だったから適当な空いてそうな蕎麦屋で天ぷらそばを食う。うん。普通のそばだ。まぁ腹を満たせればそれでいい。もぐもぐ。食べ終わると時間は昼の3時で、まだまだ秩父観光できそうだったけど、もうそんなみるとこなさそうなので予約してたゲストハウスに向かうことにした。ここは三峯神社から1番近い駅である三峰口駅の近くにあり、美しい渓流が眺められるっぽいので楽しみ!

17時まえにはゲストハウスに到着、入るとオーナーが掃除をしていて、僕が今日のゲストで一番乗りらしい。まずは汗を流したかったのでシャワーを借りる。風呂場がなんとも雰囲気あってアガル。汗を流した後チェックインして、今夜の夕飯をどうしようかと考える。ここのゲストハウスで夕飯を予約するのを忘れてて、本当に食べるもの何もないと言われたので、駅近くのお店を紹介してもらい、そこまでまたチャリをとばす。2kmほどあるけど周りは綺麗な渓流で、都会に疲れた僕を癒してくれる。三峰口駅に着いて、紹介してもらった古めかしいモツ焼き屋にはいると、強面の店主のおっちゃんが今は珍しいブラウン管のテレビを見てた。

扉をあけて「まだやってますか...?」と恐る恐るいうと、おっちゃん、

「何しに来た?」

えええ。いやいや、ここ食いもん屋やねんから飯食いに来たに決まってるやろ。

「あの、ご飯を食べに...」

と恐る恐るいうと重い腰をあげてぶっきらぼうに厨房へ向かう。如何にも昭和の親父といった感じである。見た目もヤクザみたいで怖いし。えらい店入ってもうた...でもこれも旅の情緒だと思ってモツ焼き定食が来るまでしばらく待つ。おっちゃんは手際よくご飯とみそ汁を準備して、ようやくモツがぶつ切りでドカッと出てきた。ここはもモツを自分で焼いて食うスタイルなので、腹を壊さないように入念に焼いて食べる。あれ、うまいやん。おっちゃんうまいで。とガツガツ食ってると、中学生っぽい4人組が入ってきた。部活帰りか何かで、カバンを机の上に置いてだべってると、おっちゃん、

「机の上に置くなオラ!」

中学生タジタジである。なかなかこんな接客現代では見られない。中学生も気の毒である。でも面白いのでしばらく見てたけど、おっちゃんはぶっきらぼうだけどちゃんと愛のある感じで、こういう古いタイプの人間はなかなか魅力があって良い。人の心を見つめ続ける時代おくれの男になりたい♪満足して出ようとすると、お金を払うのを忘れてて、おっちゃん、

「おい!金は!」

危ない危ない。僕タジタジ。

 

で、宿に戻って他の宿泊客が来るのを待つ。今夜は合計8人が泊まるらしい。明日は1日だから、みんな三峯神社のお守り目当てで来るのかな。宿主夫婦と小さいお子さんが夕飯を食う間、世間話をして待つ。こういう暮らしもあるんだなぁ、都会の喧騒から離れた慎ましい生活...いろんな人の生き方を見られるのが旅の1番の醍醐味である。しばらく待ってると次々と今夜の旅人がやってきた。まず最初はかっこいいバイクで東京から来た童顔の男。ちょっと小太りでかわいい。次に登山しに来た埼玉県の真面目そうな男。こちらは細身でシュッとしてる。この三人でしばらくしゃべってたのだけど、最初はみんなお互いのことを探り合う感じで、だんだんと打ち解けてくるこの感じがゲストハウスっぽくてよい。童顔クンはその顔に似合わず体育会系の料理人見習いで、25歳らしい。真面目クンは公務員らしく、なんと三峯神社のレアお守りを紛失して、もう一回もらいに来たらしい。彼も25歳らしい。若いっていいなあ()。しばらくして今度は女の子二人組がやってきた。やったあああああ女の子だあああ!!!と心がピョンピョンしてると、同時にちょっと独特の雰囲気を持った変わってそうな男子大学生もやってきた。彼は今日特に理由もなく秩父を歩き回ってたらしい。ちょっとよくわからない。他にも二人来るはずだけど遅い時間に到着するらしい。で、オーナーさんが焼酎を持ってきてくれたので、集まったみんなで酒を酌み交わしながら談笑する。女の子たちは二人で旅行してて、秩父を観光して三峯神社まで登山する予定らしい。1人はピッチピチの18歳。う~ん。ピッチピチ!もう1人は「年が違うんですー」って言うので浪人したのかな、と思ってると、なんと大学一年生29歳!らしい。詳しくは話を聞けなかったけど、何か尋常ならぬ想いをもって大学に入りなおしたのだろう。うん。わかるで。痛いほどわかるで。辛いこともあったやろな、でもがんばろな。応援してるで。みんなで酒飲みながら(18歳の女の子はちゃんと飲まなくて偉い)お互いの職業のこととか、趣味とか、人生とか語り合ったあと、今日の日差しと疲れのせいですぐ酔っぱらってしまったので、一人で渓流のほうへ行ってボーっとする。明かりはほとんどなくて真っ暗で少し怖かったけど、水の音がいくつも重なり合って和音みたい。星は曇ってて見えないけど、僕にもようやく夏の夜とやらが訪れたようである。(夏の夜を飾るハーモニー♪)やっぱ僕は夏がどうしようもなくすきみたいだ。すきっていいなよ…夏。

明日は朝4時くらいに起きて、標高1100mの山のぼるので宿に戻って早めに寝ることにした。10時くらいだったけど、明日はみんな三峯神社に行くみたいなので、みんなも早めに寝るらしいし。ここの寝室は外と障子一枚隔ててるだけでほぼ外みたいなもんで、虫とかがいっぱい入ってきて大変なことになるらしいので、蚊帳が用意されてた。蚊帳の中で寝るなんて初めて!素敵!渓流の音を聞きながら、(たまに幹線道路の車の音もするけど…)静かに眠りについた。ぐーすぴ。

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本日の走行距離

だいたい60km

色を取り戻したくて…夏 in 奥秩父【一日目】

 

どうも。お久しぶりです。いいですねえ、夏。研究室の夏休みはもうほとんどないといってもいいと思うけど、やっぱり夏っぽいことしたくてまた旅に出ました。夏っぽいかといわれるとそうでもない気はするけど。浴衣着て花火見て海行って渚のステージで月明りをみるだけが夏じゃないんですぅ。すぅ。一か月前あたりに湯河原でのセミナーを終えた後、一人で由比ヶ浜にいって、涙色した貝殻に熱いため息を漏らして、砂に書いた名前消して以来色をなくしてしまったので、それを取り戻す旅が必要だったんです。てか砂に書いた名前消すの何回目だよ…って感じですね。

どこいこう!って考えたけど、海はもう飽きたし、じゃ今度は山か!ってなっていろいろ調べると、秩父のほうにまだ行ってないことに気づいて、なんか面白そうなとこを探していた。僕はお寺とか神社とか好きなのでそういうとこ探してると、おすすめの神社に三峯神社というのがでてきた。なんかパワースポットらしい。普段はパワースポット(笑)て感じだけど、山の上(標高1100m)にあって自転車で行くにはちょうど良い(?)し、毎月1日限定のレアなお守りがあるらしく、それが有名らしいのでそこに行くことに決めた。秩父といえばアニメ「あの花」や「ここさけ」の聖地でもあるので、せっかくだからいろいろ観光しよう!てなわけで色を取り戻す旅が始まったわけである。

初日は秩父までの90kmの移動に使うことにした。いつもそうだけど割と適当にプランを決めるので、11:30くらいにのっそりと出発。荷物はできるだけ少なくしたいので、工具と充電器と着替え上下と下着だけ詰め込んでぶらぶら走る。二泊三日くらいならサイドバッグは付けずにサドルバッグだけで走るスタイルが身についてきた。254号線に沿って和光市まで走る。この道は川越まで行った時と同じだからあんま面白くはない。朝霞駐屯地を超えて所沢へ。このあたりで腹が減ってきたので適当にコンビニでパンとファミチキを買って食べる。ベンチに座って道行く人と車の往来を見ながらもそもそ食べていると、ようやく旅の実感がわいてきた。これだよ!この感じ!ぞっくぞくするぜえ!

狭山市入間市を抜けるとようやく山っぽくなってきた。299号線沿いには高麗川という川があり、とてもきれいだったのだけど、運悪く雨が降ってきた。天気予報で予想はしていたけど、やっぱ雨の中自転車で走るのはやだなあ...この先秩父までほぼずっと山だしどうせなら太陽の下自然を感じたかったけど、気を取り直して進み続ける。雨といっても霧雨煙る静かな♪もので、そんな不快なものではなかったのでむしろ暑すぎるよりいいんじゃね?と楽観的に考える。

 

山の道にはいろいろ面白いものがあった。

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町工場かなんかに描かれてたけど、完全にOUTである。藤子・F・不二雄先生もびっくりである。

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道中で見かけた小さな鳥居。パワースポットとかが巷では人気らしいけど、こんな何でもないような木の切り株にもちゃんと神は宿るのである。

 

雨の中走り続けて、正丸駅のあたりに到着。ここまでくると秩父はもうすぐだ!ゆっくり走っていると「自転車歩行者の正丸トンネル内通行 危険」という看板が。回り道しろと書いてある。しかし回り道すると正丸峠を超えることになり、無駄に体力を消耗したくなかったので、まぁゆてトンネルっつってもタイミングを見計らって車の来ない間飛ばせば大丈夫やろ~と思いそのまま進み続ける。へらへらしながらトンネルの前に到着すると、

「トンネル長さ 1918m」

 

え…うそ…マジかよ…

 

長すぎるよおおお!

 

ほんとヤダ。雨で滑りやすいし暗いし怖いしトンネルってホント嫌い。かといって正丸峠を登るのもやだし…でもよく見ると幅80cmくらいの歩道がついていたのでそこを慎重に行くことにした。歩道といってもちょっとバランス崩せば車道に落ちちゃうし、とにかく全神経を集中させて進む。後ろから車が通るとき反響して「ゴオオオオオオ!」てなるのが本当に怖い。勘弁してくれ。くるまきらい。ぷええ。

 

魂が抜ける前にようやくトンネルを抜けた。生きた心地がしなかった。川端康成がもしチャリダーなら「正丸の長いトンネルを抜けるとそこは天国だった…」て書くに違いない。あとから知ったことだけど正丸峠のあたりは心霊スポットとして有名らしい。最初から知ってたら絶対通らないよこんな道…

やっと雨も上がってきたしコンビニで休憩がてら今夜の宿を探す。ネットで探してるとゴルフ場の併設ホテルが安そうなので電話をかけてみると、基本料金が4000円だけどおひとりの場合は追加料金で3000円取られるらしい。なんじゃそら。ほんなら最初から7000円て書いとけや。もちろんこんな高い宿には泊まれないのでしょうがないけど漫喫に泊まることにした。秩父には毎度おなじみ快活CLUBがなく、漫喫としては自遊空間しかない。まあたまにはええかと思いながら秩父に向けて再出発!

ほどなくして秩父に到着。へえ、ここが秩父かぁ!暗くてどんな街かよくわからん!今日はアップダウンが比較的少なめだったから割と余裕でぬるっと着けた。腹が減っていたのでとりあえず飯にする。脂っこいものがどうしても食べたかったので、とんこつラーメンの店に決めた!

 

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「ラーメンいとう」のとんこつラーメン。麺は細めだったけどしっかりとんこつとんこつしてたので体に沁みる。店内ではちびまる子ちゃんのEDが流れてて、そういえば桑田佳祐が歌ってんだなあ、クワタソロwwwてなりながら食べる。おいしかった。ご馳走様。

食後はもちろん銭湯。秩父には昔ながらの銭湯が二軒(「たから湯」と「クラブ湯)残っているらしく、どっちかにはいきたかったので、迷いながらも「クラブ湯」に行くことにした。住宅街のど真ん中にあり、入ってみるとちゃんと番台がある!いいねえ。番台のおばちゃんはとても優しくて、雨に濡れながら来たのでありがたいことにタオルまで貸していただいた。ああ…人の温かみが何より沁みる。ロッカーもなく籠に服を入れるだけのレトロな脱衣所。奥の壁には富士の絵。鮮やかな刺青を入れたヤクザ…

 

え…?

 

なんと先客には胸と肩に立派な刺青を入れたヤクザが体を洗ってた。ぎえええ。人生でモノホンのヤクザを間近で見たのはこれで二回目である。一回目は仙川のドトールで携帯電話の使い方を教えてほしいといわれて親切に教えてあげたのだけど、その時のヤクザはちゃんと小指がなかったのを覚えている。ばれないように今回も体を洗いながらチラチラみてたのだけど、どうやらこの人の小指はあるようだ。良かった。あなたが噛んだ小指が痛い♪じっくり見ると背中と太ももに大きな傷がある。この人も壮絶な戦いをしてきたんだなあ、僕には想像もできないような世界は意外と身近にあるのだなあ。としみじみする。お互い素っ裸で向き合ってこそ感じるものもあるのだ。ヤクザなんて感心したものではないけれど、風呂から出ようとする彼の背中が大きく見えたのはどうしてだろう?

汗も流したし風呂上りにコーヒー牛乳を飲みながら番台のおばちゃんと世間話する。自転車できているというと、そういう人は割とよく来ているらしい。で、そういう人は漫喫に泊まるというのも知っていた。チャリダーの考えることはだいたい似通ってくるのである。雨もやみそうにないし、切りのいいところで漫喫に向けて出発。一日の終わりにおばちゃんの笑顔を見られてここにきて正解だったなあ。

今夜の宿は自遊空間。いつものように酒とつまみを買ってガキ使みながら明日のプランを考える。着替えは一着しかないので今日着たシャツは手洗いして適当に干す。今回はユニクロのドライEXポロシャツを導入したのだけど、とても優秀で着心地もいいしすぐ乾くしこれからも使おう。明日も早いのでさっさと寝ようとしたけど、うれしいことにこのブース斜めに寝なくてもいい!だいたい漫喫のブースは僕の身長ではぎりぎり縦が小さくて斜めに寝なきゃいけないけど、今日のブースは広くて縦がすっぽり収まる感じだった。快活CLUBがなくてしょうがなくって言ったけど自遊空間もええやん。うん。

明日は聖地と廃村を巡ろう、と大まかに決めて、寝ることにした。おやしゅみ~。

 

本日の走行距離

だいたい95km

愛車・装備品紹介

お久しぶりです。ばおわの伝道師ぷいちゃです。最近自転車がいろんな界隈でブームの兆しなので僕も乗っかってみよう!自転車だけに!ということで今回は僕の愛車と装備品をご紹介します。(旅行記とは直接関係ないけど)なんかの参考になれば幸いです。

まずは愛車!のふえぇ君!

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本当にいつみてもかっこいい。ARAYAのFederal 2017年モデルだからふええ君と名付けてみますた。ふえぇ。これはいわゆるロードバイクとは違い、ランドナーと呼ばれる旅専用の自転車である。ランドナーといってよいのかはわからないけど、少なくともランドナー風の自転車であることは間違いない。かつての隆盛を陰にひそめ、ほそぼそと生き続けている、古き良き自転車である。ロードバイクとの大きな違いは、タイヤが700cではなく26×1-3/8(ママチャリと一緒の規格)、泥除け標準装備、フレームがクロモリ(鉄)などで、速さを重視するロードに比べてより旅に適した自転車といえる。こんだけチャリ好きなのに、実はまともな自転車を持ったのはこれが初めてだから、正直材質の違いとかはよく分からない(爆)。だけど、僕が自転車を選ぶにあたってどうしても譲れないことがあったので、それを伝えられたらなと思います。

そもそも僕は小さいころから自転車でどっか遠いところに行くのが大好きで、暇さえあればお寺を巡ったり(奈良だから)、天皇陵を巡ったり(奈良だから)、鹿に会いに行ったり(奈良だから)してた。特に理由はなくてもふらっと知らない街へ行ってそこの日常に溶け込んだふりをするのが好きだった。それは北海道に住んでた時もそうで、大学を辞めることを決意したときは、せっかく北海道にきたんだからなんか爪痕を残していこう!ということでチャリで北海道を巡る旅をしていた。(旅といっても札幌~小樽~長万部~函館~室蘭~苫小牧~札幌というこじんまりしたものだけど。)その時はいいチャリを買うなんて考えは微塵もなくて、バイト先の焼き鳥屋の常連さんにもらった普通のママチャリ(3段変速)の後ろに寝袋とテントを括り付けただけのなんともお粗末な装備で行ったものだ。しかも初日に小樽で寝袋を落としてしまって、結局ホームセンターで買ったフリース素材にくるまって寒さをしのいでいたのも今となってはいい思い出である。(思い出は美しすぎて♪)僕にも19歳ラストティーンという若い時代があったのである。

話がそれたけど、要するに僕は旅が好きなんだろうと思う。え?自転車カンケーないって?た~しかし!だけどやっぱり18きっぷとかの電車での旅はちょっと違う。車やバイクでの旅とも違う。文明の利器を使った旅もいいけど、中高と陸上部で鍛えられたスポ根魂が「ちーがーうーだーろー違うだろ!」と叫んでいる。親にもらった自分の足でいろんな所へ行きたいのだ。かといって徒歩だとプリミティブすぎるし時間がかかる。ということでいい塩梅のチャリというわけだ。チャリならそこそこのスピードも出るし自由度も高いしちゃんと自分のカラダもいぢめられる。というか陸上とかチャリ旅とかはドMにしかできないと思う。僕はたぶんドMなんだろうなあ。

で、そういう旅をするにあたって、さすがにママチャリでは限界があるから、それなりの相棒が欲しくなったわけである。そこで目を付けたのがランドナーだったのだ。僕と同じで、長い旅の間にいぢめられ続けてもずっと前を向いて耐えてくれる、そういう自転車でなければいけない。それはロードバイクではできないことなのだ。確かにロードのようにタイヤが細くて、軽くて、スピードもでて、スタイリッシュなカッコよさに惹かれることもあるけど、違う、そうじゃない。タイヤも太くて、泥除けとかもっさりしてて、動きも鈍重で不器用で、それでも、一途にまっすぐ進み続けるランドナーでなければいけないのだ。それは譲ることのできない男の美学であり、ロマンなのだ。それに応えてくれて、しかもコスパのいい自転車を探しているときに、僕は出会ってしまった。それは雷に打たれたような、まさに電撃的な邂逅であった。君は自転車界隈ではその存在を忘れられつつあり、今ではすっかり片隅に追いやられてしまった。でも僕は、君の赤く燃えるような情熱を、その細いクロモリフレームにしっかりと感じることができた。ふえぇ君。君に決めた!

 

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変速がこんな感じでハンドルから手を放して操作するダブルレバーである。フーッ!イかすね~。

 

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見よ!この(ほぼ)水平な(ほぼ)ホリゾンタルフレームを!ふつくしい

 

というわけで自転車選びになんも参考になりそうにないことをつらつらと書きました。が自転車というのはあくまでも手段なので、各々の目的に合った自転車を選べば、それが一番の相棒になるんじゃないかな!

さて、旅をするにあたっては荷物を積むことができるキャリア(荷台)が必要である。いろいろネットで調べてみたが、僕のランドナーに対するイメージがもう出来上がってしまっていたので、フロントキャリアは日東キャンピー一択だった。(16000円…高い)リアキャリアもキャンピーでそろえたかったけど、予算がなかったのとそんな荷物詰むほどの長旅をすることはそうないだろうなということでナシ。そして荷台に積むバッグも、オーストリッチの帆布のサイドバッグと決めていた。やはりクラシカルでオールドスタイルのランドナーにはこれが似合う。利便性とか防水性を考えるともっと機能的なサイドバッグはいっぱいあったけど、違う、そうじゃない。そもそもチャリ旅なんて酔狂でやるものだから、多少の不便などどうでもいいのである。実際使ってみると確かに取り外しはクソ面倒だし雨降ったら中までグチョグチョ()だし厄介な奴である。でも防水なんてZIPロックで十分(自衛隊でもそうしてる)だし、取り付けがめんどくさいのはこれも旅の一興だと思えば別に気にならない。

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キャンピーを選んだのも、このサイドバッグを使うことを前提としていたからだ。このサイドバッグは横長なので、スタイル的にあんまり高い位置で取り付けると変だし、何より重心が上のほうに来ると走行が安定しない。ということで、低い位置に荷物を取り付けられるキャリアを考えると、もうキャンピーくらいしか選択肢がない。値段が高いから他のメーカー(ミ○ウラとか)ももっとこういうのでコスパいいのだしてほちい。

サドルバッグももちろんオーストリッチ帆布バッグ。これだよ!これ!これを取り付けるのに使うのが、VIVAのバッグサポーター。ただこのバッグサポーターには致命的な欠点があり、溶接部の耐久性が弱い。耐荷重3kgってあるけど全然耐えてくれない。1500kmくらい走った段階でポキっと折れてしまった。そもそもサドルバッグはサドルにぶら下げるもので、このサポーターはそれを支えるくらいの使い方をしていたのだけれど、やはり旅をする上ではちょっと心もとない。だけどこのVIVAバッグサポーター、オーストリッチのサドルバッグと相性が抜群で、見た目もシャープでなかなか気に入ってるんだよなあ。何より輪行の時に邪魔にならないのがうれしい。リアキャリアを付けてその上にサドルバッグを置いてもいいけど、見た目がカッコ悪いし輪行の時邪魔になりそうでなかなか踏み切れない。うーん、とりあえずはVIVAを使い続けて折れたら交換って形になるかなあ。もっと耐久性のあるのをどっかのメーカーがつくってくれないかなあ。(ミ○ウラとか)

言い忘れてたけど、なんでリアじゃなくてフロントにキャリアつけるの?って思うかもしれないけど、理由は単純。そっちのほうがカッコイイからです。特にランドナーの場合は。絶対。異論は認めない。

フロントキャリアも付けたし、あとはオーストリッチのフロントバッグが欲しい!もちろん帆布のやつ!ところがふええ君は補助ブレーキが標準でついており、これが邪魔でフロントバッグを取り付けるのにいろいろ工夫が必要らしいので、ちょっと手を付けかねている。補助ブレーキを外してしまえばいいだけなのだけど、この補助ブレーキがなんとも便利なんだなあ。見た目カッコ悪いっちゃ悪いけど、それを補って余りあるくらいには便利だし、何より安全である。チャリ乗ってると何度か死にかける(あるいは殺しかける)ことがあるので、安全に関するところはちゃんとしていたい。うーん。どうしたもんかねえ。まあそのうち自分なりのスタイルを確立してく中で決めていこう。

で、僕は街中でも気軽に自転車を停めてふらふらしたいので、センタースタンドを付けている。ロードにスタンド付けるのは邪道らしいけど、これはランドナーなのでもちろんつける。これなしではちょっと旅はきつい。旅はずっと走り続けるわけではないので、ちょっとお店に入ったり、景色のいいところで降りて写真を撮ったり、そういうこまごましたところでスタンドは超便利なので絶対必要だと思う。まあなくても何とかはなるけど。

メインの装備品はこんな感じです。他にもいろいろあるけど、深入りしてマニアックなこと書いても面白くないのでこの辺で終わります。参考になったかな?ぷい?もし面白いかも!と思ったらぜひ自転車を始めてみてください。きっとそれぞれの面白さが見つかると思います。一緒に風になりませんか?

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F旅まで 神戸~香川

快活クラブのナイト8時間パックで一夜を過ごし、朝5時ころに出発。まだ暗く人もほとんどいない神戸の朝の街を颯爽と駆け抜ける。神戸はおしゃれで山も海もあって道が広いわりに人の数もちょうどよいからとても好きになった。将来はこんな町で穏やかに暮らしたい。。。

15分ほど走って高松までのフェリー港に到着。ジャンボフェリーだ!とにかくデカい。このフェリーは人だけでなく貨物もいっしょに運ぶ役割もあるのでアホほどデカいトラックがバンバン乗り込んでいく。自転車は普通の搭乗口ではなく車と一緒の入り口なので丁寧な誘導を受けながらトラックと一緒に乗り込む。僕の他にももう一人チャリダーがいて、一人じゃなかったのでちょっと安心。

そしていよいよフェリーが神戸の港を離れる。港町を出ていくときの「ああ、俺は遠いとこへ行くんだ...」感は異常である。もう会えないなんて言わないで...かわりに朝日が出迎えてくれたのでいつものように太陽さん~おはよう♪とあいさつする。
フェリーの中はやたら豪華でめちゃくちゃ広いしテンション上がる!甲板にでて朝の澄んだ空気を吸い込んでると、その空気が内から湧き出るエネルギーに変わっていくのがわかる。360度の海。360度の空。つかみどころのない広さにたじろぐこともなく、俺はどこへだって行けるんだと大きな気持ちになる。それはそうとこの謎のオブジェ何?

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朝飯を食ってなかったので船内に戻りうどんを食べたけどめっちゃうまい。沁みるううう。フェリーの中のちゃっちいうどんでもクオリティが高い。さすがうどん県だけある。船内にはなんとゲーセンもあったので暇つぶしにやってみる。UFOキャッチャーでかわいい猫ちゃんがいたのでお揃いでゲット。

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かわゆす。浮気したわけじゃないよアリア社長。僕はずっとアリア社長ひとすじだお。ぷい~。

明石海峡大橋の下を通るというアナウンスがあったのでまた外に出てみる。真下を通ったけど本当に壮観だった。こんなデカい建造物を作った人間の可能性に感動する。
でもフェリーで一番記憶に残っているのは景色ではなくジャンボフェリーのテーマソングである。中毒性が高くメロディが今も頭にこびりついている。ようつべにあがっているので是非聴いてみてください。

風が恋を運ぶ 海を遠く渡り♪
二人を結ぶ ジャンボフェリー♪
風の中感じる あなたの声感じる♪
届けてよ ジャンボフェリー♪
…………
(作詞・作曲・編曲:森香 歌:早見にな)

なんかアナウンスのたびにこれが流れてきてそのたびに胸が締め付けられるようなノスタルジーに襲われる。チキショー!なんたって懐かしい匂いなんだ!遠く離れた恋人同士がお互いを想う切なさ...

とまあ4時間ほどフェリーに揺られてやっと高松の港に到着。車用の出入り口が開く瞬間に立ち会えたけどこれがまたイイ。

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ウルトラセブンウルトラ警備隊が発進するときのあの山とかがパカッと割れてウルトラホークが飛び立つときの感じだ!(ワンットゥ!スリッフォワンットゥ!スリッフォ)うるとらあ~セブ~ン!

高松につくととりあえず腹ごしらえのために有名なうどん屋さんを探す。近そうなうどん屋さんがないか調べていると食べログでめちゃ評価の高いうどん屋さん「手打十段 うどんバカ一代」が割と近くにあってここに行くことにした。まだ昼前なのにめっちゃ混んでて人気の店なんやと思いワクワクして並ぶ。


少女はこちらをまっすぐ見つめている。弾力のある艶やかな白い肌は、其の内に儚さと僅かの強さを兼ね備えている。己の中の抑えきれない熱量が魂を溶かすように、僕の中の何かが、音もたてずにほろほろと崩れていく。壊したい。君(きみ)を壊したい。一度失えばもう二度と戻らない、そのぎりぎりの淵で平衡を保とうとする美学を、混沌の海に放り投げたい。そして僕は遂にその平衡を打ち破った。ああ!なんてことをしてしまったのだ!とめどなく流れる君(きみ)の血は不可逆の力に身をゆだねている。あまりにも自然に、悠然と。そして僕は『永遠』という無常を悟ったのだ。永遠とは、滅びゆく存在のたどり着く終着なのだと…
(訳:うどん登場!白い麺は柔らかいけどコシがあっていいね!熱くてバターがとろけてるう。卵の黄身割りてえ!割ったら黄身がとろけるう!ぐちゃぐちゃあ。おいしい。ごちそうさま。)

食べ終わったら暇だし時間もあるので栗林公園に行ってみた。めちゃくちゃデカい庭園みたいな感じで一時間半ほどぶらぶらしてるだけでも結構楽しめた。F旅までにはまだ時間があったし、そういえば昨日から風呂に入れてないので銭湯にいくことにした。調べてみるとちょっと行ったところに仏生山温泉という超おしゃれな銭湯があるらしいのでやったぜ!と思いチャリをとばす。が店の前まで行くと『本日休業』の文字が。なんでやねん。なんで第四火曜が休みでそれが今日やねん。ドンピシャにもほどがある。仕方ないので近くのきらら温泉とやらに行ってみる。きららって名前いいよね。Version いくつくらいのだろう?で温泉にゆっくりつかって疲れをいやした後のこの一杯。

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これだよ!これ!なんで温泉の後に飲むフルーツ牛乳はこんなうまいんやろな。フルーツ牛乳という飲み物を考えた人もすごいし、それを風呂上りに飲む習慣を生み出した人もすごい。

銭湯のあとはF旅の宿へ向けてチャリをこぐ。ゆて20kmほどあるのでそこそこ頑張らなあかん。でもこれまで毎日100kmほど走ってきたから20kmくらいなら余裕だと思えるようになった。強くなったよ俺。高松は道も広くて走りやすいけど膝の痛みもぶり返してきたのでなかなかスピードが出ない。はやく宿についてみんなに会いたいぜ。しかしよく東京から香川まで来たなあ、としみじみ感慨深くなる。(思えば遠くへ来たもんだ♪)この先どこまで行くのやら。377号線からは山道で、この旅最後の山である。まだ日は暮れてないし急ぐ必要はない。一番軽いギヤでゆっくりと登ろう。最後くらいは自転車から降りずに登ろうと決めた。チャリというのは足だけでなく、意外と上半身の筋肉も大事だったりする。登りでは上半身にも力を入れてバランスをとって、よろけないようにしないといけない。端から見てるとわからないけれど、転げ落ちないように踏ん張る、内なる筋肉と精神の緊張、それこそが美しいのである。途中で自販機があり、橋の下にはきれいな川があったので一休みしていると、みんなが乗っている車が次々と来て僕を追い抜いてゆく。宿はもうすぐだ。みんなの後を追って俺も行くよ。負けるもんか!

 

ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬ ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬

その男はまた一人立ち残された。薄暗い森には水の音だけが響いていた。寂しさに似た感情を振り切ろうと、もう一度サドルにまたがり、しっかりとハンドルを握った。懐かしい痛みは、その感情が寂しさではないということを彼に教えてくれた。そして再びゆっくりと、目指すべき場所へと走り出した。

ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬ ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬


~完~

本日の走行距離
だいたい50km

F旅まで(奈良~神戸)

朝7:00起床。朝メシとしてピザトーストを作ってリンゴの皮をむいて懐かしのおはよう朝日ですを見ながら食べる。故郷への旅は終わり、今日からまた実家を離れる。F旅の香川までまたチャリで行くぜ!旅はいつまでも終わらないんやで!

父はもう仕事に行くので、出発しようと準備してる僕に「気をつけてな」と一言声をかけて仕事へと向かった。父も何年か前にロードバイクに乗り始めて趣味にしてるので、車道を自転車で走る危険をよく知っている。チャリで実家に帰るなんて言うと反対されると思ったから、今回の故郷への旅は親に内緒にしてたのだけど、まぁそれにしてもとんでもないことをやる息子をもって大変だなぁと申し訳なくなる。思えばいきなり大学を辞めたり、3ヶ月生野菜1kgを毎日食べる人体実験をしたり、自衛隊の訓練行ったり、わけわからんことして迷惑かけまくりの息子でごめんよ。でもまぁ何とかここまで道を外れず生きてきたしこれからはもうちょいまともに生きてくから安心してくれ、と心の中で思いながら出発する。いってきます。

奈良から大阪までは163号線を行く。また嫌いな163号線だ...しかも生駒山を登るからまた嫌いになる。なんで歩道ないねん。道作るときに一緒につくれや、とほんまにいつも思う。奈良先端技術大学の前を通り、へぇここが奈良先端技術大学かぁ~、ド田舎じゃん☆て思いながら通過。やっと山を越えて見下ろす先にはビルの街並みが。

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大阪だ!都会だ!あの小さいビルの中にはいっぱい人がいて働いてるんやろなぁ、そうやって日本が回ってくんやろなぁ、いつもありがとう。でこの辺りからだんだん言葉遣いの品が変わってくる。関西弁にも色々あるけど僕は割と大阪の人のどぎつい関西弁が好きなので嬉しくなる。こういう微妙な地域差がひしひしと感じられるからチャリはええねんな。バーロー。せやかて工藤。

大阪は何度かきたことがあるので特に観光はせず、人ごみを避けるため商店街やら住宅街をゆっくり走ることにした。でもせっかくだからDEEPスポットの宝庫大阪を観光すればよかった。前は(毎度お馴染み)18切符で飛田新地まで行ったなぁ(注:行っただけです、店には入ってません、ホントだよ!)あれは凄かった、、、その隣にはドヤ街として有名なあいりん地区があり、異様な光景だったのを覚えている。すぐ近くは通天閣があり観光地として賑わっているのがすごい。同じような既視感を東京スカイツリー周辺でも味わえるので是非行って見て下さい。東京は吉原(黒のアルファードに黒服のヤクザ多数)があるし、ドヤ街としては南千住の山谷がある。高い塔の麓には遊郭と貧困街があるのは共通らしい。高く登ろうとして欲望の重さに耐えきれなくなったのかなぁ。

で大阪の悲しい色した海(サヨナラをみんなここに捨てに来るから)を見ることなく兵庫県に入る。2号線は道も広いし車もそんな走らないし快適に走れる。芦屋のあたりを走ってるとええ街すぎてこういうとこで子供育てたらええ子に育つんやろなぁと思う。腹が減ったしマクドに入ろうとするとその目の前にケンタッキーがあるので、やっぱケンタにしよ!けんたん!ぱ!ケンタッキー高いけどなんか無性に食べたくなる瞬間ってありませんか?あるよね~。手をベトベトにしながら骨まで愛してと言わんばかりに綺麗に食べる。

すぐに再スタートししばらくするともう神戸三宮に到着。よぉし観光するぞぉ!手始めに近くの生田神社へお参り。ここは水占い?とやらがあって白紙の紙を水に浸すと文字が浮かび上がってくるという面白そうなものがあったのでやってみる。

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周りには女の子2人組がいて、1人でこんなことやってて本当に俺は何してんだろ...と悲しくなったのでさっさと異人館のあたりへ行く。特にみるものもなかったけど()ムスリムモスクとかがいきなりドン!とあって異国情緒ムンムンだった。(私も異国人ね...♪)関帝廟とやらにも行ってみたけど、いかにも中国って感じでなかなか日本の寺では感じられない雰囲気があってこういう感じいいねらんま1/2っぽくていいね(適当)ちなみに僕はシャンプー派です。

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生田神社にも行ったのでせっかくだから長田神社廣田神社にも行こうとしたけど廣田神社は結構前に通り過ぎてて遠いしめんどくさくなったのでパス(ごめんなさい)。長田神社へお参りして、もう夕方になってしまったのでフェリー港がある三宮に戻ることに夕暮れ時に南京町で1人で角煮まんとごま団子食べ歩きしてるとどうしようもなく悲しくなったので追い討ちをかけに神戸ハーバーランドのmosaicへ行く。素敵な夜景を独り占めだ!

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さすがモザイクだけあってこんな洒落乙な名前の店もある。

で小便がしたくなったので男子トイレに入ると、なんと女の子2人組が個室の前にいてめっっっちゃびっくりした。(あ...俺間違えたんかな...女子トイレ入ってもうた...犯罪者や...ああああ!)と今までの楽しかったことや苦労や思い出が走馬灯のように駆け巡っているとやっぱその女の子達が間違えてた。良かった...と胸をなでおろしたが、冷静に考えると小便器がある時点で男子便所だと気づくよね普通?おかしくね?それとも小便器を洗面台かなんかと勘違いしてたのかな?ならしょうがないね。うん。

で腹が減ったのでモザイクの中の豚骨らーめん屋に入りチャーシュー麺を注文したものの、あまり店員の態度がよろしくなくてげんなり。店員同士でいつまでもペチャクチャ喋ってるしなんかチャラチャラしててみるからに知性の無さそうな笑い声である。自分の悪事を武勇伝のように語るしなんだコイツはこのチャーシューみたいに薄っぺらいなぁ、いやむしろチャーシューの方が分厚いのでは?ぷい?と思いながらさっさと食って店を出る。もう夜だし真っ暗な港は怖いのでモザイクを後にして今夜の宿へ向かう。

今夜の宿は快活クラブ!いつも本当にお世話になってます。快活クラブは漫喫界の良心である。まぁ漫喫に深夜来るような客の民度なんてロクなものでもないけど快活クラブは比較的マシな気がする。ソフトクリーム食べ放題だし(これがかなり嬉しい)。漫喫ではあんまぐっすり寝られないけど、明日は朝からフェリー4時間も乗ることになるしそこで寝ればいいやと思ってたのでいつものようにネットでガキ使見ながら酒を呷る。これだよこれ!知らない土地の漫喫で酒を飲む瞬間のために生きてるといっても過言ではない。なんだろうねこの感覚。こういう感覚を持つと持たないでは全然人間の種類が違うのではないかと思ってしまう。まぁもっと大人になればこういうこともしなくなるんだろうなぁと、ちょっと寂しくもなりながらまどろみの中へ入る。F旅たのしみだなぁ。明日は早起きしなきゃ...おやしゅみぃ~....

 

本日の走行距離 

だいたい90㎞

番外編 ナニコレ珍百景

というわけで今回の旅の道中でナンダコレ!?となった、あるいは妙に惹かれたものたちをご紹介します。

まずはこちら。由比から興津に向かう1号線を走っている時に見かけたコレ。

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世界一列皆兄弟。ほぉ。ええこと言うやんけ。みんな仲良くせなあかんな。しかしこんなデカデカと、しかもごく普通の建物に掲げられてたもんだから物凄い存在感である。気になって調べてみるとどうやら天理教の分教会らしい。一列兄弟というのは天理教の教義において、世界中の人は皆神の子であり、他人という者はひとりもいない、ということらしい。

僕は各地のDEEPスポット巡りが趣味なので、宗教都市として超有名な天理市ももちろん行ったことがある。天理教教会本部は信者でなくても誰でも入れるので一度行ってみてください。(本当に懐の深い宗教である。)そして街全体も凄い。それはそれは東京にある某宗教団体のあの地とは比べ物にならないくらい凄かった。悪い意味ではなく、日常の暮らしに宗教が寄り添っている感じで、街の雰囲気も温かかったのを覚えている。何より特筆すべきが建物の荘厳さである。たとえばこれとか。

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これとか。(何とこれは病院!)

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こんな建物が街中いたるところにあるもんだから凄い。それに比べてこの世界一列皆兄弟は何ともチープだなぁ。もっとド派手な建物にしてもええんちゃうかな?

皆が仲良くなれる世界はいつ訪れるんだろう。訪れないかもしれないな。その時は僕がぷいにゅ教を立ち上げよう。(世界一列皆ぷいにゅ)

続いてはこちら。愛知県で見つけたパーラー大学院。

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これなら
「ちょっくら大学院いってくらぁ!」
「あら、勉強頑張ってらっしゃい!」
てな具合で気兼ねなくパチンコ打てる。パチンコ打ったことないけど。
実は18切符で帰ってる時、なんと「パーラー大学」も発見してしまった。(愛知県では有名なのか?)どうやら合格していたらしい。おめでとう。今度はパーラーポスドクとかになってたらどうしよう。

さて今度は犯罪防止のポスター。

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「オレは」
オレは。私は。拙者は。小生は。僕は...

ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬

ダレ...?

ƸӁƷ •*¨*•.¸¸♬


伊賀市を抜けて山道を走っていたらこんな注意書きが。

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うん。捨てないよ。ずっと一緒だよ。幸せにするよ。(ナデナデ)


次はこれ。

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これは香川でF旅の宿までの道中で見かけたものだけどナンダコレ...怖すぎる。案山子?と思ったが周りが田畑じゃないし...たぶん地元の小学生かなんかの作品を飾ってるのかな...にしても狂気を感じる。円谷プロ顔負けだな。。。

さて続いては恒例?のラブホシリーズ。
ラブホには時折とんでもない文学的センスを持った名前を持つものがあるから楽しい。奈良にあるラブホの名前としては、

・べんきょう部屋
何をべんきょうするんでしょうねぇ
・ola ola
(オラオラ!何のかけ声なんでしょうねぇ
・森の小人
何のメタファーなんでしょうねぇ

とかが記憶にある。というわけで今回の旅でも面白いものがないか探していた。

例えば掛川までの山の途中で突如あらわれたこちら。

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あ...きら綺羅。
これは凄い。本当に凄い。今まで色んなラブホの名前を見てきたけど、こんな清涼感のある美しい名前は初めてだ。山の途中にあって周りは大自然だからとてもしっくりくる。「あ...」の部分が持つ奥行きがまたなんとも艶めかしい。谷崎潤一郎賞とかあげてもいいと思う。きっと二人の世界が紡ぎ出す煌めきは夜空の星より輝いているのだろう。クヌッ!クヌヤロ!

こちらは三重県で見つけたラブホの看板。

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ミンクスってよくわからないが、それより「かいちゃん みにきてネ!」て何。てか、かいちゃんって誰。こんな看板を作ろうと思った人の思考回路が見てみたい。

最後はこちら。

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これは故郷への旅ではなく実際には奈良から神戸にいく途中にあったものだけど。オバマさんもびっくりである。wの文字がなんともいえず風流だなぁ。

 

というわけで、ナニコレ珍百景でした。何でもない風景の中にも、かつて誰かが手をかけ、なんらかの会議やらで検討を重ね、こうして実際に形に残っている。そのこと自体が、名もなき人間の確かな人生の営みを垣間見れたようで、僕は嬉しくなる。ということです。

おしまい。

故郷への旅 五日目(亀山~奈良)

7時半起床。朝飯として昨日買った菓子パンを貪る。キッチンへ行くと宿主家族の朝ごはんの残りのホットケーキがあり、誰も食べないのでありがたくいただいて食べた。めっちゃ冷めてたけど。
今日は距離的には大したことないけど、奈良に出るにはまた山を越えなくてはいけないからすぐに出発。宿主と常連のおっさんが見送ってくれた。この近くに用がある時はまたお世話になろう。いざ故郷へ!

25号線をひたすら行く。グーグルマップを見ればわかるように、本当に山しかない。まさに手付かずの自然といった感じで、こういった道を走ってこそツーリングて感じがする。18切符で奈良まで帰る時も、亀山~加茂の区間は電気ではなくディーゼルで走る列車である。電気を通すよりコストがかからないらしく、それほど人が少ないということだろう。このディーゼル車がまた旅情をかきたてるんだなぁ。山の間からたまにチラッとその青い車両を垣間見ることができるのだけど、普段ツンツンしてる彼女がたまにデレっとするのに似てる。彼女いないけど。

しかし見渡す限り山である。田舎とかいうレベルじゃなく、本当の山である。人もいないし交通量もほぼないしチャリダーとしては最高の道だな。たまにダンプが通るのはなんでかなと思ったけど、山から岩を削り出しているらしい。

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こんな風景なかなか見られないからアガる。これだよこれ!

山を降りたあとは伊賀上野に向けて25号線を漕ぎ続ける。今日の行程では町らしい町はここしかない。忍者くらいしか有名なものは知らないけどどんな町なんだろう。とか考えているとあっという間に到着。伊賀城があるけどちょっと離れていてコスパ的に微妙なラインだったので保留にしながらとりあえず昼ごはんにする。

何たーべよ!って考えてると餃子の王将を発見。全然悪くない選択肢だから入ろうとすると、道の向こう側にも中華料理屋がある。どうせならご当地の店に行きたいのでその「味神館」に入店。中国語で会話してるから中国人が経営している店だろう。こんなド田舎まで中国から何しにきてんのかね、と思いながらチャーハン餃子のセットを注文。キムチ食べ放題だったのでいっぱい食べる。まぁうまい。チャーハンも美味い。が特筆するようなこともなくそこそこ満足して店を出る。時間は余裕があったけど、早く家に帰りたかったので伊賀城はパス。今度この地に来た時にしよう。次いつ来るかわからないけど。

伊賀から163号線をあとはひたすら行けば僕の故郷である木津川市へと着く。地図を見るとまた山だ。でも時間的には余裕があるから、安全第一でゆっくり行こう。そう決めた矢先だが、163号線はなんとも微妙な道で、歩道はないし割と交通量も多い。山の登り坂の車道を走るのはどうしても避けたかったから、結局その近くの大和街道や名もなき道をぐねぐねして走る。やっぱこういう道の方が、思いもしないようなものに出会えたりして面白い。そんなふうにして昔懐かしの南山城村に到着。ここは小学校の頃林間学校かなんかでいったところだけど、しかしド田舎やなぁ。僕の地元のすぐ近くがこんなド田舎だったとは...
163号線に戻って先を急ごうとするも、なーんかやっぱキケンな道だなぁ...できるだけ避けたいなぁと思い迂回ルートを考えていると、グーグルマップで木津川沿いに道を発見、コレだ!と思いこの道を通ることに。途中で恋志谷神社という素敵な名前の神社があったので立寄る。由来を調べてみるとなかなか素敵だった。気になる人はググりましょう。神社仏閣は個人のお祈りをする場ではないのでいつものように世界平和を祈ってから再出発。

そして木津川沿いの道を走っていると、道が二手に分かれている。川に沿った道はいかにもな山道だったのでこれじゃないやろと思って舗装された道を行くも、どうもグーグルマップさんは違うと言ってる。マジかよ。この山道かよ。引返して163号線に戻ることもできたが、マップ的には一応抜けられるはずなので思い切ってこの山道を行くことにした。車の轍もあるし。死にやしないだろ。

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どんどん行くとどんどん道が荒くなる。ついに車の轍が消えたと思ったらそこには3人の釣り人が釣りの準備をしていた。ここまでか...と思ったが引返すのも腑に落ちないので僕が先を行こうとすると、「引返したほうがええんとちゃう?」と声をかけてくれた。僕は「もうちょっと行ってみます~」と答えたが今から考えると本当に向こう見ずな判断だった。

道はどんどん荒くなり、ついに「道」という概念から外れた光景になってしまった。小さな岩を登ったり、橋というにはいささかはばかられるような渡し木があったり、完全にハイキングコースである。絶望。失望。何をくすぶってんだと自分に言い聞かす。愛、自由、希望、夢。足元をご覧よきっと転がってるさ、と強がってみる。でも足元に転がってるのは石ころとやたらデカイ木の枝と落ち葉だけである。自転車を担いで滑らないように慎重に進む。滑ったら川の中にドボンでこれまで努力がまさに水の泡となってしまう。引き返そうか...いやもうちょっと...を繰り返していると結構な距離を歩いてしまったので、ここまできたら行くしかない!と決意した。男の子は一度やると決めたことを最後までやり通すのである。イチローさんもそう言ってるし。

しばらくするとようやく出口が見えて163号線に合流することができた。本当に良かった...この旅最後の山場を超えた。結局1kmくらい山道があった気がする...ハイキングコースを自転車担いで歩いたんだから俺にはもう怖いものはないという謎の自信が生まれた。はぁ疲れた。

このまま木津川市へ行っても良かったが、163号線が嫌いになりすぎていたので、33号線で奈良まで行くことにした。また山を越えるみたいだけど。しかし奈良というのは市内だけしか栄えてないなぁ。南の方に行けば秘境と呼ばれるし、今回も本当は十津川村まで行って玉置神社に参拝したかったのだけど、日程が限られていて行けない。なかなかご縁がないらしい。もっと功徳を積まねば。

山を越えるとそこにはようやく見慣れた景色があった。昔からチャリで奈良の色んな場所を探検していた記憶が蘇る。東大寺付近のコンビニでタバコをふかしているとなんか知らんけど涙が出てきた。
東京をでて、幾つもの山を越え、見慣れた故郷の風景にたどり着いたことよりもむしろ、今は故郷から離れて、夢を追って遠く東京まで来て必死にしがみついている自分は結局何処に居ても変わらない、そう思えたことが嬉しかった。

東大寺は相変わらず人がゴミゴミしてたのですぐ退散、鹿に挨拶して家路を急ぐ。聖武天皇陵の前を通過。父は昔この辺りに住んでいたらしい。父が昔見た景色と僕が今見ている景色はどれくらい変わったのだろう。そんなことを考えながら平城宮跡に向かう。この辺はもうホームといって良い。奈良ファミリーとかよく行ったなぁ。実家まではあとほんのわずかだけど、なんかすぐに戻るのがもったいなくて、適当にブラブラする。旅の終わりはいつもこうだ。いつまでも旅が終わってほしくない。時間つぶしに高の原(最寄駅!)イオンに寄ってみる。ちょっと自我を持ち始めてイキりだす中学生が多いこの感じが懐かしい。でも中学生なんて野山を駆け回ってハナクソほじってりゃええんやで。(それは小学生か...)もう19時前だったので意を決して実家へ向かう。通学路を通ると「あぁ、帰って来たんだなぁ」と改めて思う。10分ほど歩き実家が見えて来た。長かった。日に焼けて皮がめくれた顔。オイルで汚れた服装。母ちゃん見てくれこの姿。ボロボロだけどなんとかここまでたどり着いたよ。二階のキッチンには明かりが灯っている。

ただいま。腹が減った。メシにしてくれ。

 

本日の走行距離

だいたい90㎞


おわり

故郷への旅 四日目(豊川~亀山)

この日は朝7時に起きて朝食。バイキング!食べ放題!チャリダーにとってエネルギー補給は喫緊の課題だから食べ放題の朝食バイキングは嬉しい。味はどうでもいいとはいわないが、必要な時に必要なものが食べられるだけで十分なのだ。僕がちっちゃい頃食べ物を残そうとすると、ばあちゃんがよく「アフリカの子供はなぁ...」と恵まれない子供達のことを考えろと教えられてきたので、ちゃんと教えが身についている。アフリカの子供も食べ物残すやろ!という意見はめんどくさい自問自答になるので封印する。

で、豊川をでて名古屋方面へ向かう。1号線をひたすら進む。岡崎市ではでかでかと「徳川家康公生誕の地」とあってへぇ、と思いながらそのまま通過。

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今日は朝から飛ばして昼過ぎには60kmくらい走って疲れてしまった。桶狭間の古戦場跡も行きたかったがそんな気力もなく、腹が減ったのでなんか愛知名物でも食べようと思ったけど何食べよ矢場とんが食いたいけどこのへんにはなさそうやしなぁ...味噌カツ食いてえよぉ~.....ん?....みそかつ........コメダ!というわけで近くのコメダ珈琲を探す。別にコメダもどこにでもあるけど無性にみそかつサンドが食べたくなったので探していると、何やら古い街並みが。このあたりは有松という地域で長屋が軒を連ね非常に風情がある。

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こんなとこでデートとかしてみてぇなぁ。

コメダをようやく見つけてブレンドコーヒーとみそかつサンドを注文。目の前の席にはけっこうかわいい女子大生っぽい人がデカイ事で有名なみそかつサンドをひとりで食べている。全部食えんのか...残したら僕が食べてあげよう()と思っていると僕の方にもみそかつサンド登場。やっぱデカイ。そしてめちゃくちゃうまい。本郷近くにコメダできないかなぁ。ぺろっと平らげて満足して出ようとするとさっきの女子大生がさらにケーキまで注文してた。にしても1人で味噌カツサンドとケーキ食べにコメダくる女子大生ってどうなの...?と思いながら、いっぱい食べる君が好き♪と口ずさむ。

休憩の後のライドは本当に辛い。ケツが悲鳴をあげる。お尻が2つに割れてるのはその昔ヒトに翼が生えていた名残らしいけどそんなのはどうでもいい。今わたしの願い事が叶うならば翼がほちぃ。名古屋駅まで行くとかなりの大回りになるし、名古屋駅付近は18切符で何回も行ってるからパス。近道してより海沿いの23号線から行くことにした。しかしこれが間違いだった。23号線は結構な悪路ででこぼこだし、トラック多いし、風がまた強い向かい風だし、何より橋がやたら多くてその度に階段を押して歩かなきゃいけなくて全然進まない。これは想定外だった。この温厚な僕がキレそうになる。何やねん飛鳥村て。奈良なめてんのか。景色もあんま良くないし風が強いし風が強いし風が強いしホント嫌になる。今までは風に吹かれてチャリ乗るなんて素敵!と思ってたが今回の旅で風のこと嫌いになった。なんで今日に限って向かい風なんやろな。思えば人生いつも向かい風だったような気がしないでもないけどこれも神が与えたもうた試練だと思って漕ぎ続ける。肉体的な痛みはもちろんあるが、確かにこの風は健全な精神を蝕んでいく。沢田研二ふうに言うとカラダの傷なら治せるけれど心の痛手は癒せはしないのである。

だいたい自転車に乗ってる時は歌を歌ったり考え事をすることが多いけど、この時はただひたすら無心になって漕ぎ続けた。この向かい風の中、代わり映えしない景色を永遠と走るのは苦行でしかない。考え出すと常にネガティヴなことばかり考えてしまうので途中で思考を放棄して機械的にペダルを漕ぐ機械と化した。右膝左膝交互に漕ぐ♪...右膝左膝交互に漕ぐ♪...完全に無の境地である。自と他の境界が曖昧になってゆくのがわかる。あぁ、これが禅~ZEN~か...

ようやく木曽川揖斐川を超えて桑名市に到着。このあたりで夕方になってしまい宿にチェックインの時間が遅れそうだと連絡。しかし宿付近はかなり田舎で明かりも少ないことからできるだけ急ぐように言われた。また暗い中を走るのか...やだなぁ。

チャリを飛ばして日暮れまでには四日市に到着。へぇここが四日市かぁ、けっこう栄えてんじゃんっ☆ここからずっと南に行くと伊勢神宮に着く。せっかくだからお伊勢さんにお参りしたかったが日程の都合で行けない。去年は18切符で伊勢に寄って、朝6時にちゃんと外宮から内宮を参拝して赤福を食べたなぁ。また今度18切符で行こう。しかし昔の人は東海道を通って歩いてここまで来ていたのかと思うと凄いね。チャリでさえこんなキツイのに歩きなんて絶対無理だ。山登るにしても、チャリだと下り坂というご褒美があるから登りを頑張れるけど、歩きは登りと下りで違う筋肉を使うし、どっちも辛いから。見返りのない愛を知るにはまだまだ時間がかかりそうだ。

鈴鹿を通るあたりにはもう日が暮れそうになってしまった。寒い。膝が痛ぇ。ケツが痛ぇ。俺は何してるんだろうな、こんなつらい思いして。この旅一番の心折れかけモードに突入。僕は「柳の木に雪折れなし」を座右の銘として生きてきたけど、雪を受け流す枝のしなやかさが失われつつある瞬間というのがあるもので、それがこの日のこの時間だった。俺たちはただの魚で川の流れまでは変えられないんや(ジョーちゃん...)。

いきなり夕暮れの空に飛行機のオブジェ?があらわれた。

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俺はこういうのにどうしようもなく弱いんだなぁ。もう君は飛べないのにずっと空を見てるんだもんなぁ。

亀山についた頃には完全に夜だった。ようやく宿につける...と思いきや意外と亀山から離れてる。こんちきしょう!クヌッ!クヌヤロ宿に向けて1号線を走っているとまたバイパスが出現し歩道が消滅。あともうちょいなのに!掴めそうで掴めない...是即ちぷいにゅ...宿主が言ってた通り確かにほとんど明かりがなくて道が全然わからない。バイパスを迂回するルートはだいたい農耕用の車が通る道でなかなかに難しい。しかし長年それなりにチャリ乗って来たからルートファインディング能力というか勘には自信があってほぼ迷わず宿に到着。20時を過ぎてしまって宿主に心配をかけてしまった。

ここの宿は関にあるゲストハウスで、築何百年という古民家を改装したものだった。周りも全部古民家でかなりの歴史を感じる。昔の人もこの辺りで泊まってたんだなぁと、今と昔をつなぐものがあるというのは何か嬉しいね。

居間に案内されると先客がいて、色んな海外を旅してた常連のおっさん、お手伝いとしてほぼこの宿に住み着いている「部長」(なんで部長と呼ばれていたかは忘れた)、東海道を回っていて日本語が上手なベトナム人の3人が出迎えてくれた。僕がチャリダーだとわかるとみんな労ってくれて暖かな場所だった。飯は付いていないので、近くのスーパーへ買い出しに行き、半額になったいなり寿司と菓子パンを買って帰る。タンパク質が足りないのでファミチキを2個買ってその場で食べる。宿に戻ると人が増えていて、素潜りでイルカと戯れるのが趣味(というか職業?)のスキンヘッドの兄ちゃんが戻ってきていた。BMWのレトロな車で来ているらしい。彼はなぜかやたらベトナムのことに詳しくて、隣のベトナム人よりも詳しいんじゃね?てくらいだった。他にも1組、カップルで個室を借りている旅人もいるらしかった。個室で何してるんでしょうねぇ。クヌッ!クヌヤロ!とか思ってしばらくすると男の方が顔を出してきた。人懐っこい感じでどうも憎めない。たぶん僕より若い。若いっていいなぁ...5分くらいすると彼女の方もお風呂から上がって顔を出してきた。

...kawaii

色白でおっとりしてそうな田舎娘みたいな感じで、風呂上がりだから髪が濡れてて色っぽい。さっきまで彼氏に抱いてた一抹の好意は完全に砕け散って嫉妬へと変わった。ふざけるな!!クヌッ!クヌヤロ!!俺によこせ!

とまぁ楽しく談笑できて雰囲気の良い宿だった。明日もあるので僕もシャワーを浴びようとしたが、シャワーだけは???な代物だった。ウルトラセブンに出てきそうな電球とかが光る宇宙人を彷彿とさせるカプセルの中でチョロチョロと水を垂れ流すみたいな感じで謎。カプセルのドアも壊れていて防水の役目を果たせていない。ほとんど外にあるようなものだから普通に寒い。しかしこれも風情だと思えるくらいには疲れていたから適当に汗を流して、そのまま12時くらいには床についた。相部屋の布団では既におっさんが寝ていたので静かにしなきゃ。

明日はやっと奈良だ。故郷が近づいていることを実感すると疲れも心地よくなる。俺はここまで来たんだ、と自分を奮い立たせているといつの間にか眠ってしまった。

 

本日の走行距離

だいたい130㎞

故郷への旅 三日目(焼津~豊川)

おはようた!!!膝が割れそうなくらい痛いお。昨日の峠越えが結構きてる。ホテルの無料朝食(トーストにゆで卵だけ...)を食堂で食べる。朝食がついてるだけでありがたい。コーヒーを啜っていて、ふと何かの戸棚をみるとブエナビスタソシアルクラブのアルバムのジャケットの絵が飾ってあっていい趣味してんなぁ、とちょっと嬉しくなる。ライクーダーのスライドギターいいよねぇ。人生の渋みが滲み出てるよねぇ。

膝は笑うどころじゃなく痛いけどとにかく行くしかないので8時半に出発、天気が良いのでいいことあるかなぁ!と思ったのもつかの間、今回の旅で一番苛まれた「向かい風」のお出ましである。しかもかなり強く吹いている。僕はサイドバッグをフロントにつけているので、空気抵抗をかなり受けることによりぜんっぜん進まない。一生懸命こいでも時速10kmそこそこしかでないし常に上り坂を登っている感覚である。下り坂も漕がなければ止まってしまうくらいの強い風。しかも静岡は横に長くてこれが一日中続くのかと思うと本当に辛くなる。明日はまた違う風が吹くさと楽天的に考えることにするが人生と同じでなかなかにうまくいかない。

焼津をでて掛川へ向かう。しばらく進むと島田駅の近くに到着。昔18切符でここに来たことがあり、その時は世界一長い木造歩道橋である蓬莱橋を渡って感動したのを覚えている。ただ今回は遠回りになるのでパス。回り道もしたいけど、いかんせん時間が限られてるのでそんな余裕もない。しかも掛川まで行くのにまた山を越えなきゃいけないらしい。新金谷を出る辺り、茶畑がすごく綺麗で、景色を見ながら山を登れた。静岡!って感じの田園風景で気持ちよかったので、山は余裕を持って登れた。

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茶といえば京都!伊右衛門!てならなきゃいけないけど、僕は一応京都府民でありながらアイデンティティは奈良にあるので、素直にやっぱ茶は静岡やろ~と思う。他に静岡ってなにあんの?て質問は受け付けません。

掛川を抜けて浜松へむかう。浜松は2年前免許合宿へ1人で行った時以来の想い出の地なので感慨深い。その時食べた静岡限定のさわやかハンバーグが忘れられなくて、今回もそのハンバーグをどうしても食べたかった。東海道をひたすら走ってるとさわやかの看板が!ようやく会えたね、2年ぶりだね、綺麗になったね、遠距離恋愛してる恋人同士のような気分である。(ここでシモンズのこ~い~びともいな~いのに~♪が流れる)時間もちょうど昼前だったし迷わず入店、名物げんこつハンバーグを頼む。さわやかは目の前でハンバーグを2つに割ってジュージュー焼いてくれる。

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官能的な音...鼻腔をくすぐるかほり...中がほのかに赤いその魅惑的なグラデェションは、さながら紅く染まった頬を隠す照れ笑いのように僕を燃え上がらせる。そして僕はその手持ち無沙汰な肉塊に接吻した。あゝなんと悲しい逢瀬だろう!あまりに刹那的な!あまりに刹那的な!君は2年もの間、この汚れちまつた僕を待っていた...変わらぬ至上の愛を貫いていた...LOVE PHANTOM(そして私は潰される)。。。

お腹いっぱいになったところでまたスタート。休んだ後にのるとケツが2つに割れそうなくらい痛い。この痛みが嫌なので出来るだけ続けてのるようにしている。向かい風は相変わらず強いし景色もそんなに良くないので歌でも歌いながら走ってたらいつの間にか浜松に着いた。あらかた昔観光したので浜松を素通りして浜名湖の南、弁天島を走る。弁天島は湖?海?のなかに鳥居がある美しい景色だったので愛車のふえぇ君とパシャリ。かっこいい。

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時間は夕方だったけど静岡を抜ける前にもう一度さわやか湖西店に行く。僕は根がさわやか好青年だからさわやかハンバーグと親和性が高いのだ。また会えたね...4時間ぶりだね...(中略)LOVE  PHANTOM(そして私は潰される)

ここで今夜の宿を探すために情報収集。豊橋か豊川あたりに泊まりたかったのでネットで探してると豊川のビジホが朝食バイキングでサウナ付きの大浴場で4200円という破格の安さだったので迷わずここにしよう!。でもなんかあまりに安いので調べてみると3ヶ月前に殺人事件があったホテルらしい。だから安いのかな...と一瞬ためらったが別にそれはホテルが悪い訳ではないしむしろこれで客足が減ってるのかなと思うとかわいそうなのでココに決める。俺優しい。

ただもう夕方だし豊川まではとにかくひたすら必死に漕ぎ続けていた。向かい風きついし旅の情緒もへったくれもクソもなかった。膝もかなり痛みがひどくなってきたので途中コンビニで休憩していると、何だか急に心細くなってきた。知らない土地で、誰も僕のことを知らない場所で、何で俺は1人でいるんだろうとふと思ってしまった。夕映えはあんず色。自分ではかなり遠くまで来たつもりなのに、まだたどり着かない。赤く染まった山、膝の激痛、缶コーヒー、タバコの煙。道行く人達が物珍しそうに僕とふえぇ君を見ている。僕にとって彼らが見知らぬ他人であるように、彼らにとっても僕は得体の知れない旅人なのだ。

とにかく暗闇の中を走り続けて19時ごろにホテルについてチェックイン。嬉しいことにチャリを部屋に置いていいということだったのでやっぱりここにして良かった、情けは巡り巡って自分に返ってくるんやなぁとつくづく思った。自転車の整備はできるだけ外でやりたくないので部屋の中でぬくぬくと整備する。やっぱ機械とかイジるの好きだなぁ。

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豊川でも恒例晩飯探しをしたがここもなかなかに何もなくて結局適当なラーメン屋でうっすい豚骨ラーメンを食べてしまった。まぁ今日はさわやかで贅沢したしいいやと思って酒を買ってホテルに戻る。昨日の焼津のビジホと違って「普通の」ビジホだったので勝手が良い。アメニティも揃ってる。こんな普通の、何でもないようなことが、幸せなのだなぁと感謝する。

あと2日で奈良まで帰らなきゃ行けなくて、最終日は余裕を持ちたかったから明日は無理して亀山あたりの宿に泊まることに決めた。ちょうど亀山近くによさげなゲストハウスがあるらしいのでもう予約しちゃう。天気予報によれば明日は雨は降らないだろうからいける気がする~

寝る前に大浴場で疲れを癒しに行く。大浴場といっても普通の風呂がちとデカくなったようなものだけど、綺麗だったしほぼ独り占めだったから最高だった。サウナもあるしせっかくだから入る。いいホテルやん。悪評に負けずがんばれ。

風呂から上がったら疲れがどっと出て来たからすぐ寝ちゃう。おやすみ。

 

本日の走行距離

だいたい125km

故郷への旅 二日目(小田原~焼津)

朝7時半起床。シャワー浴びてすぐ支度して出発。小田原城を見学しようとしたけどめんどくさくなったのでパス。今日は箱根の峠を越えるけど、熱海ルートを選べばそんなに山は登らないし大丈夫やろと思ってとりあえず熱海を目指す。

海沿いの135号は歩道がなくてトラックビュンビュン走るしチョー怖かったのでその隣にある740号で行くことに。ところがこの道はかなりアップダウンが激しくていかにもな山だったので以外とキツイ。ここはみかんが名産品らしく、みかんの木やみかんの看板がやたら目につく。

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山を登っていると何かの碑が立っていた。相翁松の碑というらしい。

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wikipediaを引用すると、
『1884年(明治17年)、当時東京帝国大学の学生であった坪野平太郎、阪谷芳郎添田壽一の三人は、春期休暇を利用して、共に東京から熱海への旅行へと出かけた。その途上、足柄下郡江ノ浦村の街道沿いに老松があり、三人はそこで休憩することにした。老松は枝ぶりが良く、またそこからの相模湾の眺めも爽快なものであった。三人はその老松の下で将来を語り合った。そして、「我々は親の恩恵により学問を修めている身であるが今、又、ここに爽快な景色を見、大いに英気を養うことができた。将来、立身したならば此の地に碑を建てよう」と誓い合った。』...

俺と一緒やん。泣ける。ふと高校の時の卒業アルバムに「青雲の志」を忘れまいということを書いたことが思い出された。俺もいつか立派な人間になりたいものだ。青雲。それは君が見た光。

初っ端からけっこうな疲労だったし腹も減ったし湯河原のマクド朝メシ。なんで旅先まで来てマクドやねんて感じやけどまぁ特に周りになんもなかったししょうがない。とにかく箱根峠にむけて腹を満たせればそれでいい。熱海までの下り坂を時速40kmくらいで飛ばしてきもてぃ。先を急いでたから熱海を素通りしていざ峠へ。まぁゆて余裕やろ~

しかしこの余裕も束の間、かなりの急勾配が延々とつづく。こいでもこいでも坂。マジかよ。峠ナメてたマジパネェ。完全にナメてたごめんなさいもう許して下さい。一番軽いギヤでも荷物を積んでるから立ち漕ぎしてもキツイ。みっともないけど途中から完全に押して歩くことにした。もともと「峠は自転車を降りずに登るゾぉ!」とは思ってなかったけど、なんか悔しい。途中何人かのチャリダーが気持ちよさそうに坂を下ってきてくそぉ楽しやがって、と思ったけど、この人らのしたり顔も峠登ってきたからこそのものやろなぁと思ってがんばる。高ければ高い山の方が登った時気持ちいいもんな。

体力はめちゃくちゃ消耗したけどなんとか峠を登りきった。やったー!まさに峠を越した!そして待っているのはご褒美の下り坂。今度はギヤを一番重くして漕ぎまくる。ンギモヂイイいいいー!!!!時速60kmくらいだしてクネクネ坂を下るこの気持ちよさよ。これでちょっとハンドル操作を誤ったら即ぐちゃぐちゃになって死ぬんやろなぁと思いながらも気持ちよくてブレーキがかけられない。男には止まれない、いや止まってはいけない瞬間というのがあるのだ。気持ちよすぎて坂道であ!ポロン♪てしそうになる(何が)

峠のあとは1号線にもどらず380号線で海沿いを走ることに。右手に富士山、左手に海!と思ってたけど曇ってて富士山あんま見えないし松並木とフェンスで海も見えないしつまらない。歩道もないしトラックやたら走るし松ぼっくりがうざいし萎える。田子の浦にうちいでてみたかったけどそんな元気もないしとにかく走り続ける。

富士から由比までは1号線をひたすら行く。この辺りは工場地帯で、変な化学臭がする。トラックばっかだし元気が出ない。腹も減ってきたし富士由比バイパスの何でもないチェーンの中華屋で飯を食うことにする。ラーメン餃子白ご飯の普通のメシだったしご飯も冷めてたけど、コレが涙が出るほどうまい。僕は嫌いな食べ物がない(といってもいいと思う)のでだいたい何でもおいしく食べられるので、逆に料理の美味さに関して鈍感なほうだと思うけど、この時食った何でもない中華料理は本当に美味かった。

店員は頭悪そうにサイドを刈り上げたDQN風の兄ちゃんで、多分新入り?ぽかったけどまぁこういう人生も楽しいんだろうなと思ってたら、となりに初老のおっさんが座ってきた。何度か注文するのだけど、なかなか注文が通らず「バッカじゃねぇの!」と言って帰ってしまった。まぁ誰にでも失敗はあるだろうし店員にも問題はあるだろうけど、注文すら通せないのは自分の頼み方に問題があるとは微塵も考えないのかね。自分に非が少しでもあると思えるなら、他人を批判できるだけの道徳的な優位性は自分にはないと思えるしもう大人なんだから癇癪を起こさずに冷静に対応すればええやんって思う昼下がりでした。めでたしめでたし。

事前に調べていた通り由比から興津までは自転車が通れない区間あるので、迂回ルートを行く。ところがこれがクソ分かりにくくて漁港の中を通ったり変な狭い道を通ったりで時間がかかった。途中立ち入り禁止になっているところがあってその先になんとも写真映えのしそうな場所があったので、自転車を押して歩いて立ち入ってみる。こういう時はいつも後ろめたさが優って立ち入れないけど、その時は未だ見ぬ世界に目を輝かせる少年のような心に軍配が上がった。

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過去を振り返ろうとして思いとどまった男の寂しそうな背中を感じられるいい写真だよねー。うん。でも目の前が海だからこれからどうするんだろうね。泳いで渡るしかないね。うん。

もう時間もあまりなかったし、今夜の宿は焼津にしようと思う。日が暮れる前にはつきたかったので静岡駅前をそそくさと通り越して焼津へ向かう。

焼津に行く途中、大崩海岸を通った。ここは道路が海に突き出していて絶景だった。

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でも歩道がないので長居は出来ずすぐあとにする。

焼津についたのは18時過ぎ、もうかなり暗くなってるし疲れたので、お目当の宿、ウィークリー翔へむかう。ここは一泊2500円で泊まれるし綺麗そうだしまぁ予約せんでも大丈夫やろと思ってたらところがどっこい、満室で泊まれないと言われてショボーンしょうがなく紹介してもらった3900円のビジホに泊まることに。まぁしょうがない。旅は想定外のことがあったほうが楽しい。ここのビジホは素晴らしい場末感で、雑居ビルの一室みたいな部屋だった。当然アメニティ類は皆無だし常連みたいな汚いおっさんしかいないけどなんか逆にアガる。雨風がしのげてちゃんと寝られて体力を回復できるところならどこでもいい。とりあえず腹が減ったので焼津駅前で店探し。商店街はシャッターを降ろしてるし全体的にすごく寂れた街だった。焼津は港町だから港の方へ行けば栄えてるのかな。とかくめぼしい店もないので今日はコンビニで弁当と酒を買ってホテルで食べることに。ちょうどWBCがやってたのでがんばえにっぽん~!まけうな~!って言いながら焼肉弁当を頬張る。うん、こういう飯も悪くない。

疲れていたしすることもないのでさっさと風呂に入って就寝。おやすみ!!

 

本日の走行距離

だいたい125km